深夜に舞うドジっ子精霊
五三竜
ドジでマヌケな精霊
ある日、深夜に散歩していると不思議なものに出会った。それは白い光を発し空中をさまよっていた。不思議に思い近づくとそれは・・・
「ドジでマヌケな精霊だった」
「え!?急に悪口!?心外だよ!」
「何言ってんだ?実際そうだろ・・・あ」
ゴンッ!という鈍い音が聞こえた。そして、頭を打って泣き出す精霊の姿が目に映る。
「あのなぁ、こんな深夜に散歩するのって意外とキツいんだぞ」
「私だって、あの日はすっごく怒られたんだから!床にプールができるくらい泣いたんだから!」
いや知らねぇよ!と、怒りたいがこの精霊は泣き虫なので我慢する。
「ま、そんなことはおいといて、今日は何したいんだ?」
「魔法を見せてあげる!」
精霊はウキウキしながらそう言ってきた。確か魔法は人前で簡単に使ってはいけないという規則がったはずだが・・・
「うん、怒られるのはこいつだ」
「え!?急に怖くなってきたんだけど!?もう怒られるのは嫌だよ!」
「フフ、可愛いね」
「急すぎるよ!」
精霊はそんなことを言う。本当に不思議だ。なぜこの精霊は・・・
「ん?何怒ってんだ?」
「今絶対変なこと考えてるでしょ」
おっと、バレてたか。・・・あ。
ゴンッ!ひゅるるるる〜〜〜ボチャン!
また鈍い音が響いた。精霊は頭を打って水たまりに落ちる。
「大丈夫か?」
そう言って手の上に乗せた。本気で泣いている。
「・・・はぁ、なんでこんなにドジなんだ?」
「わからないよぉ・・・」
手のひらの上に置いた精霊を見つめた。少し指で頭を撫でたり顔を触ってみたりする。
「ふにゅう、むにゃあ!ふがっ・・・」
すると、突然精霊の体が発光しだした。すごく眩しい。いや、それより凄く手の上が重たいの・・・だが・・・
「え?」
気づいたら目の前に普通の女性と同じくらいの大きさの精霊がいた。
「なんだか、勝手に魔法が発動しちゃった・・・」
「・・・本当に深夜の散歩は不思議なことばかりだ」
深夜に舞うドジっ子精霊 五三竜 @Komiryu5353
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