勉強の休憩がてら、コンビニに買い物しに行ったら、妹が補導されてたんだが?

さばりん

妹が補導されてました

「よしっ……」


 過去問を一通り解き終えて、わたるはぐっと伸びをした。

 時計を見れば、針は長身と短針が丁度頂点でぶつかりそうな時間になっている。


「一旦外の空気でも吸ってくるかぁ」


 航はコートを羽織り、深夜の散歩へと出かけることにする。

 この時間になると、凍えるほどの寒さになっていて、住宅街も閑散としていた。


「コンビニで何か温かい物でも買おうかな」


 肩を抱きながら、近所のコンビニへと足を進める。

 すると、コンビニ前の駐車場に、警察官が二人いた。

 そして、その警察官に囲まれるようにして、見覚えのある制服姿の女子生徒を目撃する。


「あれっ……真子まこ?」


 そこにいたのは、妹の真子だった。

 真子は普段から、夜遊びに耽っていることもあり、朝に帰ってくることも多い。

 どうやら今日も、夜遊びに興じていたっぽいが、運悪く警察に補導されてしまったようだ。

 航は頭を掻きながら、警察の元へと向かって行く。


「あのーすいません。うちの妹が何かしましたか?」

「誰だね君は?」


 警察の威圧的な声に怖気づきそうになるも、必死に堪えて笑みを湛える。


「そこにいる妹の兄です」

「お兄さん? 証明するものはあるかね?」

「一応、身分証なら」


 航が警察に身分証を提示して、家族であることを確認すると、警察官が呆れた様子でため息を吐く。


「あのねお兄さん。あなたに言うのもどうかとは思いますが、兄妹揃って深夜に外出するなんて危ないですよ」

「すいません。以後気を付けますので、妹にもしっかり言っておきます」

「今日の所は大目に見ますが、以後このようなことが無いように」

「承知しました。気を付けます」


 航は真子へ声を掛ける。


「ほら、真子。帰るぞ」


 航がそう促すと、真子は何も言わずについてきた。

 二人が家路へ着くのを警察は見送り、ようやく解放される。


「ふぅ……とんだ災難に会っちまったなぁ」

「……なんでアンタがいるワケ?」


 航が安堵の息を吐いたのも束の間、今度は真子が恨みがましい視線を送ってくる。


「たまたまコンビニに行こうとしたら見かけただけだ。他意はない」

「あっそ……」

「まっ、また補導されるようなことあったら、俺を呼んでくれ。母さんたちには内緒にしといてやるから」

「……あんがと」


 そんな兄妹の会話を軽く交わしつつ、二人は家へと戻っていくのであった。

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勉強の休憩がてら、コンビニに買い物しに行ったら、妹が補導されてたんだが? さばりん @c_sabarin

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