13 間のおはなし


ずっとさがしていたひとがいる。


たったいちどのであいで、そのひとはぼくのうんめいをきめた。


でも、そのひとはどこかへきえてしまった。


めのまえのにんげんがそのひとをしっていた。


にんげんはみにくい。


あのひといがいは、すべてがみにくい。


「何度も言ってるだろう、お茶は嫌いなんだ」


めのまえのにんげんは、ぼくがむこうへおしやったおちゃを、なにがそんなにたのしいのかとききたくなるかおでかたづけている。


ぼくはこいつがきらいだ。


でも、ちがうものをおなじようにほしがっていたから。

あのひとをしっているゆいいつのてがかりだから。


ぼくらはいちじてきにてをくむことにした。


あのひとがてにはいったら、こいつはけしてしまおう。


それで、だ。

ぼくは、みつけたんだ。


ずっとかわらないすがたで、ぼくじゃないやつとあるいていた。


かくしごとをしたって、ぼくにはぜんぶおみとおしさ。


ぼくはあのひとをみつめていた。


いつ、あいにゆこうか。


ぼくはにんぎょうをてにいれた。


あのひとにあうのがまちどおしくて。


ぼくはにんぎょうであそんでまった。



そして、そのときがきた。


なんどもなんどもかんがえて、ぼくはれんしゅうした。


へんじゃなかったかな、きづいてくれるかな。


ぼくはきみにあうためにうまれてきたんだよ。

でもきみったらぼくのことわすれていたんだね。

やくそくはしたけれど、きみはちいさかったから。

だからゆるしてあげる。

きみのことはなんでもゆるしてあげる。


いまは、きみがぼくをさがしてくれたことで、むねがいっぱいだ。


もうすぐ、ちゃんとあいにいくよ。


まっててね、アスミ。

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