(漢字エヤナイ!!>聖★漢闘士=ヅオンさん―777―

gaction9969

Quanji-#^:ネ糊デ塗スー(あるいは、尺を繋げんば尺児を得ず)

 突然だけど、鉄火場に放り込まれている。


 いや、数日前に例のあの「異世界転移」という奴を突然カマしたというのが第一の混沌で、


 その放り込まれた「異世界」っていうのが「漢字」をモチーフにした能力みたいのが支配する、ちょっと意味が分からない時空間であったことが第二の混沌で、


 それでもお約束通り与えられる超絶チート能力に期待してたら、自分に授けられたのが「かなえ」という、使いどころがほぼ思い浮かばないところのやーつであったことが第三の混沌で、


 中ボスの待つダンジョンにいきなり転移させられたと思ったら、そこが実はラスボスの根城だったという、逆に混沌を端折ったかのような、それでいてそれにて成り立つというような訳の分からない坩堝に叩き込まれたのが第四の混沌で、


 それをこちらも混沌に依りて打破したものの、エンディングの後の蛇足のような不毛なやり込みルートみたいなのに有無を言わさず引きずり込まれている今の状況が第五の混沌で、


「……マスター分かりましたぞよ? あの得体の知れない症病発明博士……奴こそが倒すべき相手……『黒幕アガサ身内に在り』……アハハハこれはこれは古文書の正にのその通りでございましたカナカナカナ……」

「いや、それ言うたらオマエの方だろーが、『獅子身中の虫』って言葉、あの羽虫然とした奴に教えてやれって、ニュ、……ドチビ」


 その道中で何度目になるか分からない頻度で催されるパーティ内のいざこざに甲乙どちらからも引きずり込まれるというわやくちゃに対峙させられているということが第六の混沌で、


「……」


 ぐちゃぐちゃになり過ぎて、逆にほどよく瘴気を抱き込んでふんわりなめらかに仕上がったまである、そしてそれこそが混沌のカオスたる条件なのやも知れぬ……というような凪いだ鏡面のような僕の心象風景こそが、第七の混沌であったりもして。


 うぅぅん、もうぐちゃぐちゃ過ぎてよくわっかんねぇ……


(了)

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