ある日のおはなし2

篠宮玲

ある日のおはなし2

「アンちゃん、フウちゃん、モモちゃん、聞いて~」

そう言いながら、部屋に入ってきたのは、この部屋の主である楓菜ふうな

ちなみにアンちゃんはジャイアントパンダのぬいぐるみでフウちゃんはシャチのぬいぐるみ、モモちゃんはワンちゃんのぬいぐるみである

名前を付けたのは楓菜で、3人のことが大好きで、3人も楓菜のことが大好きなのだ


楓菜は高校生で、家に帰って来ると1日の出来事を3人に報告するのが日課なのだ

と言っても独り言みたいな感じなのだが…


すると楓菜が

「今日のテスト、あんまり出来なかったよ~。昨日、勉強したところと違うところが出て、頭の中がぐちゃぐちゃだよ…」

ベッドに突っ伏しながら言った


(元気だして…楓菜ちゃん)

アンちゃんが心の中で言うと

(楓菜ちゃんは、頑張ったよ)

今度はフウちゃんが言った

(うんうん。)

モモちゃんも続く

どうやらぬいぐるみたちはアイコンタクトでおはなししているらしい…


もちろん楓菜へ3人の声が聞こえるはずもない…


「あ~もう!!」

と言いながら、楓菜はまたベッドに突っ伏した


(あれ?)

(どしたー?フウちゃん)

(アンちゃん、楓菜ちゃん…寝てる笑)

(ホントだ。寝てるね…)

モモちゃんもそう言った


(きっと、起きたら勉強するんだよ!明日もテストだもん!)

アンちゃんがそう言うと

(そうだよね!楓菜ちゃん頑張れ!)

とフウちゃん

(今日も遅くまで勉強かな?)

モモちゃんも楓菜を心配している様子だ

(あと3日だから!みんなで応援しよう!)

とアンちゃんが言う


(((楓菜ちゃん、頑張れー!)))

3人で息を合わせていうと

楓菜がフッと顔を上げ

「今、なんか聞こえた?気のせいかな?」

と言いながら、起き上がると

「勉強するか…」

と机に向かうのだった


(明日はきっと良い日になるよ!)

(うん!楓菜ちゃんなら大丈夫!)

とアンちゃんとフウちゃん

3人は楓菜の後ろ姿にエールを送るのであった


今日も平和です

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