第9話
――新宿警察署
「近藤参事官!至急お話したいことがあります!」
「分かった!よしみんな一旦休憩にするぞ!」
「「「「はい!」」」」
………
……
…
「すまない。待たせたな」
「いえとんでもないございません!お話したいことですが、先日大黒会所有の『キャバクラアラクネ』に行ってきました!」
「はあ?何してるんだ!」
「すみません。勝手なことをして。ですが収穫もありました!あそこは今大黒会ではなく誠和会という組織が裏にいるようです!」
「誠和会?なんだそれ、聞いたこともないぞ!」
「えぇ私たちもです!」
「そこは調べてみる価値はあるな!他に情報はないのか?」
「誠和会の1人に会いました!ですがそれ以外は何も。」
「分かった!ありがとう」
――東京港区
「そーいや仁よ。先日『アラクネ』にサツが来たわい。金払えんフリして儂を引っ張り出してきたよ!」
「お〜今どきそんな強行手段で来るやつもいるんだな。ちゃんと自己紹介したか?」
「当たり前じゃ!」
「予定より早く名前がバレたが、それでも向こうは戸惑ってるだろうな!俺も挨拶しとくか」
――『キャバクラアラクネ』
「おはようございます!新宿警察署の者です!本日こちら『アラクネ』に立入検査を致します!今から動かないでくださいね?」
と警察官がなだれ込み立入検査が始まった。
立入検査とは、風営法に基づき従業員名簿の作成、営業許可証を所持しているか等運営が正当になされているか確認することである。
「特に問題なさそうですよ!岩田係長!」
「くそ!豊田もっとちゃんと検査しろ」
「はい。」(はぁやるか〜)
「すみません。私ここ『アラクネ』の
「私だ!近藤という。」
「では近藤様こちらへ。オーナーがお待ちしです!」
「なに?」(私を呼んでいる?なぜ?)
「では行きましょう!」
「すまないが1人では行けない」
「それでは誰かお1人お選びください!」
「おい岩田お前一緒にこい!」
……
…
「このお部屋です!」
とお店の最上階にある奥の部屋に着いた。
「ありがとう。失礼するぞ!」
ガチャ
「!!!!」
「よぉお久しぶり!近藤さん!」
「なぜお前が!」
「参事官!?誰ですかコイツは?」
「おいおい、初対面でこいつ呼びはないだろ!まぁいいや。」
「こいつは仙堂仁。10年前関東で発生した連続殺人事件の犯人とされていた者の息子さ。」
「何故そんな奴がここに!?」
「何故?お前らのせいだよ!笑わせんな!!だがその話はどうでも良くて、今日は挨拶に来たんだ!」
「挨拶だと?」
「あぁ!誠和会設立のな!」
「「!!!」」
「そんで今後もと付き合いがありそうだからご挨拶をとね!入って来て!!」
ガチャ
「なっ!お前は!」
「あんたは知ってるかもだがこいつは大木場!今後俺らが所有するお店をこいつが管理する。」
「大木場と申す。今後ともよろしゅう!」
「「…」」
「んじゃあそろそろ検査も終わるだろうしお開きにしようか。」
「このまま帰すと?」
「近藤さんよ!俺が何したって言うんだ?」
「くっ」(証拠さえあれば!)
「それじゃあ気をつけて帰ってくれよ」
近藤参事官と岩田係長は「どうせこいつらが大黒を殺ったんだろ」と思いながらも何も出来なかった。
――新宿警察署
「くそぉ!参事官!どうせ奴らですよ!大黒を殺ったの!」
「そんなの分かってるよ!でも証拠が何も無いんじゃどうしようも出来ない!それにあの場に何で仙堂が居たかも分からない。何故だ」
仁にとって今日の挨拶はただの遊びであったが、この行いが近藤参事官の頭を余計に混乱させることとなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます