第4話
彼らが挨拶回りをしたお店はどれもその業界では有名なお店である。
『キャバクラアラクネ』
東京新宿、愛知、大阪、京都、福岡、札幌等全国展開している業界トップといえる超有名店。
『クラブ桃源郷』
東京では新宿を始め渋谷、新木場、新橋といった有名どころに店舗を起き、更には海外にもいくつか店舗を持つクラブでは有数のお店である。
『Queen』
風俗業界では知らないものは居ないとされる全国屈指の風俗店である。
店舗は40都道府県に100店舗以上。種類もソープにデリヘル、ピンサロにメンエスと豊富である。
これらは世間的には江藤組が育てたものとされているが実際は違う。大黒会会長大黒武正の手腕によるものであり、また江藤組が指定暴力団までになったも同様である。江藤組組長である
それだけと言っても大黒は重昌を盾として使っていたがな。組長より若頭のほうがまだ殺される可能性は低いと考え傀儡の組長を置いていたのだ。
それに江藤組の幹部はほとんど大黒会の幹部であったがために、その彼らが死んだ今江藤組の運営は滞ることになる。
――東京赤坂 江藤組本部
時刻 12:00
「組長まずいです!大黒の親父たちに連絡がつかないと思ったら大変なことになってやした」
「どうした?」
「まずこれを見てください!!」
と言って若い男が組長室のテレビを付けた。
そこにはあるニュース番組が映っていた。
「こちらは多摩川の河川敷です!本日早朝に複数人の遺体が川に浮いていると110番がありました!今は警察官が来てブルーシートで覆って川の状況は全くわかりません!そして先程警視庁が緊急記者会見を開き、ご遺体は20人以上あったと発表しました。更にはこれらのご遺体は指定暴力団江藤組若頭大黒武正を始めとする暴力団構成員であるこも発表されました!
警視庁は本件を重く見ており徹底的に捜査する旨も強調して話しておりました!こちらからは以上です」
と中継が終わった。
「なんだこれはどういう事だ」
「何者かに大黒の親父たちが殺されたんだ!」
「そんなことは分かっている!だが俺たちに手を出すやつなんてこの日本にいないだろぉがあ!」
そう言われると若い男は黙るしか無かった。
我々江藤組は長年関西の天羽組と抗争を繰り返していた。
しかしそれは急に終わった。なぜか。
罪状は、脅迫、強盗、殺人等々沢山掛けられ数日前死刑判決が出された。
そんな事があり今や敵無しの江藤組に手を出すやつなんている訳がないと重昌は思っていた。
重昌だけでなく江藤組のみんなが思っていたことだろう。だからこそ余計にこの件は謎しかないのだ。
「まずいぞやっとの事で関東一帯と東北、北海道を平定したっていうのにまた荒れるぞ。ふざけやがってえ」
そう重昌が言い放ったとき、コンコン
「誰だ。何用だ」
「は、はい!
「は?」
「こんにちは。警視庁組織犯罪対策部の近藤と申します。江藤重昌あなたを多摩川江藤組構成員殺人事件の重要参考人として警察署までご同行願います。」
「行くわけがねえだろおがよお!!さっさと帰りやがれ国の犬が」
「ご同行してはいただけないですか?」
「2度言わせるなクズ!行かねぇって言ってるだろーだよ」
「ガン」大きな音を立て門が閉まった。
近藤は分かっていたかのように
「よし各自行動開始」
「「「「「了解です」」」」」
と動き始めた。
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