第114話 岩の影
イルカ、とは何者だろうか。シノノメ草の花々のほころび、青、むらさき、白、あか、うす紅、白と藍の混じりあい、そして一輪だけであるものの、じょうわ色のものもあり、その可憐な花びらに、みずみずしくのびたツルと葉が、清冽なうす陽を照らすなか微睡みから醒めるなかで、リウのまっ先に、思うでなく思いおこされたのはそのことで。イルカ。祭司長に使われているらしい、いとけないほどのうら若き女人の名。使われているといっても、本人がそこに直に仕えているものか、そこに繋がりのあるところの下も下。末端で働いているという方が事実に近いらしく、祭司長のために動かされているという自覚があるものかどうか、そも知らされているものかどうか怪しいようではあったが。要するに何も知らずに言われるがままにやる手駒、それもとるに足らないものではないかと、セヒョの口吻から聞きとり、コヅキからはーーキライを通したりしてもーー彼女について触れられることがなかったため、リウはそう受けとり。もっとも、セヒョが話したのはキライだとかコヅキと意見を交わしてのものであろうから、コヅキらの見解ととっても大きく外れてはいなかったろう。見覚えがあると言ったリョウヤもいてのことで、リョウヤ自体、幼さが残るとはいえ母親に付いていろいろ見聞してきて、少なくともリウよりは裏も表も知っているだろうし、いわんややセヒョだとかコヅキにおいてをや。さりながら、イルカという名を聞いたときから、そう強くではないもののなにか気になって頭を離れずに。小川にのびたアシの茎に、はなれ落ち流れきた羽毛ーーカワラヒワかカワセミのものだろうかーーのひとひらが引っかかり、纏わりついているかの如く。あたかもアシが身にまとう羽衣のように見えなくもなく、さりとて誰も気づきもしないほどのあまりに小さなものではあったが、もしそれがアシ自身であれば、苦や煩わしさまでは覚えずともそぞろに気になりはするのではなかろうか。流れる水をうけるだけであった今までに比して。そのうち流れ去るだろうけれども。そういう幽かな違和感ではあったが。なにゆえに気になるのか、リウは自身のうちを追及することなくいたが、移りゆく思いのなかに棹さすもの、アシのようなものがあるということであり、その名をいずこかで耳にしたことのあるような、いや、耳ではないのかもしれないが、なにか覚えのある温度というのだろうか、色あいというのか、既視感のようなものを覚えていて。とりとめもなく、掴みどころのない感覚が、うっすりした疼痛のようにひそやかなさざ波となってうち寄せつづけていて、室内にひとりになり床についたときに睡りをじんわりと妨げて。思いのあらゆるところに潜りこんで抑えつけてくるような感覚。そんななかで睡りにつき。
マツムシやコオロギの鳴く音に包まれながら、どうしてかくまで気にかかってくるのだろうかと、考えるでなくぼんやりと天井を眺めて。白木の板がはめられ、その冴え冴えとした白さがすがすがしい。気にかかるというのであれば、つい今さっきまで眠りのうちで体感していた情景の方がよりけざやかで、不可解というのか奇妙な印象を残していたものだったが。目を醒ました途端、雲散することもよくあるものだったが、この度のものは焼きつけられたように鮮明に再現できるもので。シラカシやアキニレ、オニグルミの樹液に手をあててしまった後のように粘りつく感触。オニグルミでリウが思い出すのは、生まれ育った北の地ではクルミが好まれ、という程度でなく珍重され、摺ったものをハレの場の料理に使われたもので。美味しいものを形容するのに「くるびあじ」(クルミ味)と言うほどで、舌つづみをうった父が、くるびあずぃだなやぁ、とよく言っていた嘆声がいまも耳朶に残っていて。倹しい、というのか貧しいなかにあって、そう馳走と言えるようなものを母は作ることはできなかったろうが、なにもそれは素材のこととか味だけのことでそう感想を言ったのではなかったろうことは、今になって、ようようリウにもいくらか思い到れるようになったことであって。先に樹液と例えをだしたが幹の皮を剥がれからにじみ出、したたる粘液は昆虫や羽のある虫をはぐくむ豊かな恵みであり巡りのひとつであって、その思い出にはそういう優しい味わいしかなく、おぞましさや酷たらしさなどつゆさらなくて。樹液の粘りや色味にどこか連想させるものだけがあった、ということでしかない。睡眠のさなかに見聞したものは。陽光のいろににじみ和してゆくように、じょうわ色の花びらがかそけく震え。
漆黒の闇、といい、そうとも形容できるのかもしれぬのだが、漆塗りの深々とした艶はなく、のっぺりと単色の黒を、然り、炭をほうり投げたような暗がりばかり。いや、べっとり塗りつけられたカネグロが如きをぶちまけた暗がり、といった方がより近いかもしれぬ。突如冷たいものを浴びせかけられたように、背筋に寒気の走りぬけ。ふり返るとそこには異形の群れの、爛々とした目が大量に躍り。と、いうこともなく何も見えず。もしかすると何かしらの群れが実際にいたのかもしれぬが、見とおせない状態で。それは背後のみならず、前も左右もあたり一面。湿っぽくねばつくようにもったり漂う、濃淡は見えぬが枯れくすんだような生気に欠けた闇。欠けを補おうとするはたらきなのだろうか、生気、そしてそれにともなう体熱を、じわじわ吸い取られているような気のされている。徐々に手足に力がはいらなくなっているようで動きが緩慢になってきていて、頭もぼんやりと霞んできていて。それは心象風景の逆で、風景が心象に投影されて、つまり内に錆びた黒暗が染みこんできたとも言い得そうであり。どういう経緯で迷いこんでしまったのか、ゆくたては分からぬものの、気がつくとそこにいて。知らず識らずのうちに沼地に踏み込んでしまっていたかのように、戻ろうにも進もうにもいずこに脱出というか、光明が待っているものか眼界が遮られ、これといって手探り足探りできるものもないらしく。さりとて立ち止まっていても詮ないと思いーーもしかすると立ち止まって助けを待つなり明るくなるまで待つほうが賢明であるのかもしれなかったが、そうするゆとり、余裕がなく、とにかく何かしら抜け出す行動をしなければ気がすまなかった、というのが偽りなき真相で。助けがこない、明るむことはない、そういう可能性もあり、いや、そういう可能性に脅かされてもいたということでもあり。耳鳴りがしてきそうなほどの無音。あまりにも貧寒としたくうきで、荒みはしても安らぐ要素の一滴もない闇であったから、ではなかろうか。
目が馴れてきたのだろうか、眼界に現れ出できた何ものかの輪郭が、おぼろげながら認められ。どうやら、岩のようだ。点在するゴツゴツ角ばった岩石。それでよく一度たりとも体当たりしてしまうなり、引っかけ擦ってしまうなり、蹴躓いてしまうなりしなかったものだが、その時点でリウは奇妙に感じることはなく、むしろ何かしら見えてきたことにほっとすらしていて。そして何かもの音のするのにも心づきはじめ。岩と岩の狭間を吹きぬける風の奏でだろうか。陰惨さを感じさせる、低く鋭い音色。鬼哭啾々といった風情の。さりながら、沈澱し濁ったなかにあって肌には風らしい風は感じずに。大気の流れによるものでは、ないのではないか、とふと思ってあたりを見まわす。声のように聞こえもしてきて。なべて低いかそけきものではあったが、うめき声、叫び声、すすり泣きのように思いなされ、そう思ってしまうとそうとしか聞こえなくなってしまい。おちこちから、地鳴りの如く湧きだして。岩石群からではないか、とはっと心づき。傍にあったひとつの石面に目を凝らす。模様が刻み込まれているのが見えてきて。油でもかけたかのようにべっとり染みついた模様は、人の形のように見えてきて、同時にそれは単なる形づけられたものではなく、うごめいていることが認められ。口にあたるところから、うめき声をもらし、もがき苦しんでいる様子。それはその岩に留まらず、全ての岩にあり。ただし、焼きつけ貼りつけられたような影は人の型ばかりでなしに、さまざまなケモノの形をとってあって。それら皆、辛苦に歎き、絶望しうめき、叫び。さりながら、怒りや怨みは、どうもなさそうで。あまりに永い間だったため、研磨されくたびれて、緩慢になってしまった部分もあるらしく。実際に苦痛があるのか、そうせずにはおれない思い、というのか執着にしがみついてなのか。それが岩から離れられない原因になっているように見えなくもなかったが。決して心地のよい眺めでなく、きしむ不協和音であったが、さまで不快感は覚えず。見た目だとか受ける印象では、おぞましさや酷たらしさを感じはしたものの、正体が分かったせいか怯えは退いて、ひどい怪我を負ったものに対するような心もちとなり、憐れみだとか何とかしてやれないのだろうかと手助けしたい方が勝り。触れようとして、これらは吾がうちに起きていたことでもあるのでは、という思いのわき。覚醒して思いかえしたときには、どういうことであるのか理解できない気づきではあったが、そのときのリウにはすんなりと受けいれられたことで。湿り粘り暗いヘドロの如き汚れ。それがいつの間にか広がり染みついてしまったのものだろうか。ずず黒く胸のあたりを覆い、こびりついていて。さりながらさまで不快ではなく、透きとおった哀しみのなかで眺める。縛り縛られして、それが自縛でもあり気づきさえすれば場合によっては解放されるだろうし、幾分楽にはなるだろうに苦に囚われ、苦しか見えず、見ようとせずに藻掻きまわるなかで吐きだし、垂れながすものが凝縮したものがあの黒暗、染みついているこの黒暗であろうと、幽明の境、まどろみのなかで覚っていて。かつ感じるのはそれは仕向けられたもの、人の手、呪術、思惑の跡で。不自然な歪み、よじれがあり。気の毒に。そうされたモノどもは言うまでもなく、そうした存在も。人が踏み入ってよい領域、踏み入ってはならぬ領域があり、ここは浅い場とはいえ、人である身で触れてはならぬものであるのに。いくら護身をしてやろうとも、内なるものを欠損してしまう。それはむき出しの我が身のうちに手を突き入れるるのと変わりがないのだから。横たわったリウのまなじりから白露がにじみ出て、すっとこめかみをつたい落ちてゆく。打ちよせるさざ波が白砂の汚れを呑みこみ消してゆくように、リウの胸のうちも清明に霽れてゆき。そして、力萎え、寝こんでいたことがつい最近あったが、あれは何らかの手管でこれらの穢れをつけられたのではないか、そう雲間から日が射したように閃いたときに脳裡に現れたものは、目のあたりに布をまき、杖をついて歩くうら若い女人、イルカの姿。打つかられ、なにかを付けられたものか。イルカ、とは一体なに者なのだろうか、と目が醒めるなりついてでた疑いで。
「珍しい色のものが咲いているんですね。はじめて見ました」
朝餉の膳を運んできたキライに、庭のシノノメ草の花々をしめし。昨日まで目にしていたものかどうか定かではなく、今までリウはお目にかかったことのなかったが、ここではありふれたものなのかもしれないと、一輪の花弁に目をむけ。青、むらさき、白、あか、うす紅、白と藍の混じりあいのなかにある、陽光のいろの花びらのものへと。
「へぇ、なんぞ珍しいもんでもありましたか」
面のような笑顔のまま、そちらに顔をむけた壮年男性のうごきが止まり。かの人にとっては見慣れたものしかないため、どれを珍しいと言っているのか見定められないでいるのだろう。見定めるつもりもなく、お愛想でやって見せていることでもあるかもしれぬのだし。それは想定していた反応で、日和を言いかわすあいさつのつもりで言ったまでのことであって、話したいことが別にあり、前置きというのか、緩衝材としてのものでもあって。
うすく湯気の立つ椀を手にとって、さ緑に澄んだ茶をすする。ずいぶん異様なところであったが、あそこはいかなる場所であるのだろうか。よく見、体感していた夢の有りどころと異なり浅く、薄い感触の余韻を、つれづれに落ち葉をつまみ葉脈をこれといって意味もなく観察するような具合にひらめかせ。網状脈、平行脈。形状のみならず、そこに刻まれはしる線も葉によりさまざまで、さりながらそれは生命を繫いでいたものであることは変わらず。生命の辿りゆく路。途切れても、その跡はのこり。たなばたの、と渡る舟の梶の葉にいくあきかきつ、露のたまづさ。薄い葉のいろの茶をとりめのない思いのなかふくんでいて、ふとキライが外をむいたままでいることに心づき。お愛想にしては長すぎるのではないか、と少々不審になって見やる。顎や首のあたりに強ばりが見え。どうも驚いているらしい気色。なんと声をかけたら良いものか思いつかず、
「・・・・あの。ニジのごはんやお水を出してくれているようで、ありがとうございます」
と、いまに直に関わりのないことを話しかけ。気になっていたことで、頼んではいたもののはたして用意してくれてあるものか、それとなく探りをいれる意図もあり。小突かれでもしたかのようにキライがみゆるぎしたが、すぐに居ずまいを正すように襟もとへ手をやり、
「へぇ、すんまへん、ぼやっとしてもうて。・・・・ニジさんのやったら、庭の隅のほうにやらせてますぅ」
口角を上げ目じりを下げた面つきは変わらぬものの、心なしか血の気のひき、強ばりがあるように見え。目を見はるほどの何かきっかいなものでもあったろうか。吾が気づかなかっただけなのか、キライが顔をむけたおりに現れでたものなのか。そうとは思えなかったが、他に理由を自己の思惟のうちには見いだせず、外に目を走らせて。日のいろの濃度がいくらか増しただけで、これといって変化も異常も見られずに。シノノメ草の花々が笑み、トンボが浮き、とまりし、シジミ蝶がせわしなく羽をひらめかせている穏やかな情景。何が、かほどまでに。キライにもの問いたげな顔をむけたわけでもなく、目をもどし膳を見ていたのだったが疑問を読まれたものか、もしくは当然わくものだとの想定によるものか、
「こちら(の屋敷)にまいりまして、なん十かの四時のうつりかわりを見てまいりましたけどなぁ、あんなん初めて見ましたわ」
あんなん、とは。キライに視線をあてると、いささか興奮気味に見えて、さらに困惑させられ。そう捉え得るものを見つけられなかったからで、キライの特殊な見え方、もしくは見方によるものなのか、もしかすると自分自身が当然目にはいるべきものをいれられないでいる、欠陥まではゆかぬにしろ劣り鈍いということだろうかと疑い。話を交わしているなかで、ようようシノノメ草の花の、じょうわ色のものを示していることを知り。
「吾もはじめて見たんですが、いろいろ珍しいものがあったり、他ではないことがあったりするだろうとおもって・・・・」
水戸や、およびこの屋敷ではありふれたものだろうと思ったからで、と言外で語ると、落ちつきをとり戻したキライは首を左右にふって見せ。なるほどと肯きつつ、腑に落ちきれぬ部分もあって。だとしても、そこまで反応することだろうか、随分と大げさな、と。リウが朝餉をすませた頃には、キライがコヅキをともない見物に訪れ。もう体調は万全、までゆくものかはともかくももち直してきて、まして膳を運ぶくらい何でもなかったので、自分で厨に届けようかと思いつき、さりとて勝手なことをしては迷惑をかけるだろうかと逡巡している最中のときに。コヅキを連れ来たったところを見、一驚を喫しつつ、やはりキライはなにも大仰に言っていたわけではなかったのだと改めて分かったものの、やはり不可思議で、それはさらに深まり。シノノメ草、もしくは花、それとも草木自体を愛好する数奇者なのだろうか。さりながら、特段気になりはせず。ぼうぼう眉の虫めづる姫君というものもいるらしいから、それに比べると穏当な趣味ではあろうし。キライに伝えてもらおうとして先ほど言いそびれた提案があり、良いおりだと、こちらへ向かってくる二人を待ちかまえる。
「ずいぶん、えらいええもん見せてもろて」
笑顔をむけてくるコヅキに言われ、あたかもリウが見せたかのような口吻であったが、水やりひとつしたわけでもなしそう言われる覚えがゆめさらなくて、戯れ言であろうと聞きながし、
「あの、聞いていただきたいことがあって・・・・」
と早速切りだす。おもむろにではなく、話のなかでその方向へ持ってゆき、おりを見て、というのが理想だろうとことはリウも承知してはいたものの、それで先ほども機を逃してしまったし、そもそもがそんな器用なことなどできないと自覚したためであって。イルカ、という女人と接触し、話をしてみるべきではないか、と単刀直入に考えを述べ。聞き終え、黙ったまま細めた目でリウを数秒見つめていた翁が、かすかに口元を緩め、
「そやねぇ。ええおもうわ。ただなぁ、おもてのどっかでではなく、ここまで連れてきてなぁ。わても話聞きたいし」
ヒョウタンのような頭がつやつやと耀いていて。早速、人捜しに出ることに決まり。やはりセヒョが付いてくることになり。リョウヤも共に出たが、リョウヤは単独で行動し、また、繋ぎをつける役割をうけ。リョウヤの身なりは以前と変わらず(あえて変わらぬようにしたのだろう)、セヒョは虚無僧でなく、商家に勤めているといってもおかしくなさそうな渋い裏葉いろのかっちりしたキモノに前掛け、手には風呂敷包みで被ったものを抱えて。リウはつぎのはなだのウスモノを身にまとい。まったく疎いリウにもそれが上等な仕立てで、発色もあでやかなため気がひけたものの、というのは遠慮というものだけでなしに、似合わず嗤われるのではと思ったからでもあったが、良きにつけ悪しきにつけさまで身なりにこだわりがなかったため逆らうことなく袖をとおして。傍目から見れば、オオダナの息子とお付きの者といって違和感のない見ばえになっていたもので。
「イルカはいるかいな」
セヒョが剽げて黒目を回してみせ。スズメの群れが飛びたち、屋根にうつり止まり。繊細な編み目の蜘蛛の巣。蒼々としたカエデの葉ずれにも、朝つゆに光るツユクサにもリウは気をとめることのなく。どうやら逸り心になっているらしいリウを宥めようとしてのセヒョの態度であったようだが、リウにはつたわっていないようで、空へんじをするばかり。さよう、リウは吾知らず前のめりになっていて。自分の状態を知らずにいたため、何ゆえにそうなっているのか内省のしようがなかったものの、もし冷静に省みることのあたうのであれば、一刻でも早く真相の一端でも知りたい、という強い思い、欲求が見えたことであろう。明確にさせて心おきなくトリと交信したく。シラギ山の状態を聞きたく。なかんずく、いや、あらゆる覆いをはぎとった核心にあるものは、シュガの安否を知りたい、ということにつき。裏を返せば、そぞろに不安を感じていたからでもあって。無事であって欲しい。シュガに会いたい。また、会えるのだろうか。会えるに決まっている。迷いを振りはらおうと早足になり、手をふり、さりながら闇のなかの岩場の映像がよぎり。同時に目のあたりに布をまいた女人の姿が重なってきて。うめき、さけび、ひとつところで縛られ、藻搔きうごめく影たち。・・・・
「ナンマイダー、シンマイダー。ナンマイダー、コクマイダー。ナンマイダー、ゲンマイダー。ナンマイダー、ハクマイダー。ナンマイダー、シュウマイダー。ナンマイダー、ゼンマイダー。ナンマイダー、ニノマイダー」
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