『KAC2023』もうぐちゃぐちゃやがな(お笑い)
岩田へいきち
『KAC2023』もうぐちゃぐちゃやがな(お笑い)
「おお、来てくれたな。久しぶり」
「何が久しぶりやねん。この前会うたばかりやないけ?」
「すまん、すまん。今日は、俺からの依頼や」
「お前からの依頼ってなんや、珍しいな」
いやな、『KAC2023』やねん」
「『KAC2023』ってなんやねん?」
「カクヨムの中のな、コンテストみたいなもんやけどな、参加してんねん」
「お前がか。それがどうしたん? どうせ、参加することに意義があるみたいなこと言って笑ろうてるだけちゃうか?」
「なんで分かるねん? それがな、そうやったんやけどな、というより、このコンテスト全然知らへんかったんやけどな。3日に1回くらいの割合でな、お題が合計7回出題されてな777文字以上の作品で毎回参加したら皆勤賞で300リワード貰えるらしいんや」
「なんやリワードって?」
「カクヨムで頑張って執筆して掲載してな、たくさんの人に読んでもろうたらそのご褒美に貰えるポイントみたいなもんな。たくさん貯まった人はお金みたいなもんに換えられるんや。まあ、言ってみたら作家の著作料みたいなもんな。人気ある作家さんにしか入りゃせんのやけどな。俺なんか人気ないからまだ交換出来るポイントまで達してへん」
「ほう、『なるほど・ザ・リワード』やな」
「なんやそれ? ちゃうわ、『カクヨムリワード』やわ。一生懸命作品書いて読んでくださいと頼んで友だちに迷惑かけてもなかなかたまらへん『リワード』やがな。それが300リワードももらえるんやで。大事や。俺のリワード、一年半頑張っても170しかあらへんのにや。スピちゃん、あんなに一生懸命書いてやで。たった
7お題書いて皆勤賞とるだけで、300リワードや。おかしい思いへんか?
「そら、おかしいな。スピちゃん、もう100話くらいお前書いてるもんな。それで170しかないのに7つ書くだけで300はおかしいな」
「そやろ。1問2問を必死で獲得して来たのに、最後にスーパーひとしくんで一気に逆転されるようなもんや」
「おっ、『なるほど・ザ・リワード』やな」
「『ワールド』やて。俺も参加しない手はないがな。質は元々ないからな。書くだけ書いて、「参加することに意義がある』でいけるやんか」
「参加したんやな?」
「もちろんやがな。俺の一年半分の2倍のポイントがもらえるんや。書いたがな。第一のお題、『本屋』な。第二のお題は、俺には似合わない『ぬいぐるみ』やったけど、なんとかな書いたがな。それが昨日の昼休みの終わり頃やがな。そんで締切時間確認したがな。59分ってあったから23:59やろってな。
「今、昼やからまだあるな。帰ってから仕上げるんやな」
「そうや、俺もそう思うとったわ。やけどちごうとったんや」
「何時やったんや?」
「11:59やがな。午前中いっぱいやがな」
「もう過ぎとるやんかい」
「しもうたわ。これまでの文学賞、みんな23:59やったからてっきりまたそうやろって思うとったわ。カクヨムのAI、働き方改革してんのかな?『超えたらリボ』以来の失敗やがな」
「おお、お前、あれで113万円も損しとったもんな」
「第二のお題、『ぬいぐるみ』アウトやがな。えっ? 第一のお題『本屋』も締切11:59やがな。これもアウトやがな。皆勤賞も無しやがな。300リワードがパァやがな。スーパーひとしくん、ハズレやがな」
「そら、えらいこっちゃな。お前の三年分のポイントがパァやな」
「そうや、もうぐちゃぐちゃやがな」
「もう、諦めや」
「ちょっと待て。もうお前、喋らんでくれ」
「なんや、せっかく呼んでおいて何が喋るなや」
「300リワードは逃したけど、777文字ちょうどで応募したらラッキーセブン賞が抽選で当たる。もう、超えそうやがな。喋らんでくれ。最後に『ぐちゃぐちゃやがな』と言うてとっとっと帰ってくれ。ほなさいなら」
『ぐちゃぐちゃやがな』
「 「ありがとうございました」 」
◇◇
『777文字丁度になったんかいな?』
『なわけないやろ』
終わり
『KAC2023』もうぐちゃぐちゃやがな(お笑い) 岩田へいきち @iwatahei
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