第16話 入院中

(うん〜ん息できない)


「何だ何だ、今度は女神か」


「フフ女神かだって先生、ありがとう嬉しいです」


「カスミちゃんか、あれ息できる」


「起きないのでここで、口を塞いで起こしました」


口を指差す。。


「またかよそう言うのは好きな男が出来たらやりなよ、俺みたいな男は忘れなよ」


「忘れませんよ! ただこれから卒業式が終わりますと、この間言ってたフランスに旅行に行きます。もしその時彼が現れたら忘れるかも」


「それが良いよ、その男が現れる事を祈るよ」


「もう馬鹿、そこは俺のが良い男だから負けないと言ってよ、ニブチン」


「もう痴話喧嘩終わった、私がお話しして良い」


「おっお母さん、どうぞ」


「マサシ先生、ここの院長が言うには頭の打撲なので、2・3日入院して欲しいそうよ、退院は4月に入ってからね」


「明日は」


「怪我人は出せないわよ、早く治しなさい! それと入院費は河合家から出るので個室でも安心して」


「先程旦那さんが犯人の事は、奥さんに聞いてくれと」


「そこだけ私に振るのね本当に、犯人はねナオコ先生のお姉さんよ、学園の体育教師でね遠征から帰ってきたら、男が学園内にいたからそこで排除しようとして槍で叩いた、その後は警察と救急車で大騒ぎよ、貴方は歩く災い?」


「そんな事・・・・・・有るかも」


「まあ交渉は私に任せて、悪いようにしないわよ! それと娘とどこまで行ってるの」


「お母さん駄目よ怪我人は絶対安静に、先生おやすみなさいお母さん行くわよ」


「まあ当分いるから、後で事情聴取ね、おやすみ」


2人は出て行った。


「ナオコ先生のお姉さんが犯人、4月から同僚? やはり前途多難だな」


俺は眠りに入る。


「どうしてこうなったの、なんで目を離したの3人とも?」


「卒業式の会場確認です」


「事務の溜まった仕事を、片付けていました」


「同じです」


「ナオコ何故連れて行かなかったの、行っていれば事故は防げたわよ」


「御免なさい、なぜか安心して」


「何の安心よ」


「PTA会長の娘が帰った事で、気が緩みました」


「同じです」


「右に同じ」


「大体今弁護士に迎えに行かしているけど、アキナは何をやっているのよ、いきなり殴るなんて」


「何で帰って来たのかな?」


「遠征したけど、卒業式だから戻って来たんじゃ無いの」


「誰も新人教師を採用したって、教えて無いの事務局長」


「だってえ〜、戻って来るとは思ってません」


「問題はPTA会長の病院にいる事、接触は出来ないわね」


「さっきも婦長に、追い出されました」


「本当にやな奴! 関係者以外出ろと未来の旦那さんなのに」 


「取り敢えず明日の卒業式と謝恩会無事に乗り切る! そしてマサシ先生の奪回よ」


「分かりました。頑張ってやり遂げます」


※所変わって警察署。※


「おい出ろ、弁護士の先生が面会だ」


衝立のある部屋。


「お嬢様、今手続してますので、もう少しお待ちください」


「聞いて良い、相手の人どうなったの?」


「今の所生きてます、事故の過失傷害で警察と話てます。書類通れば保釈ですのでお待ち下さい」


弁護士は出て行く、私はまた独房に戻る。


「生きてはいるのか、何故私はあの時殴ってしまったんだ! 相手の話が嘘だと思ってしまったんだ」


壁を見ながら涙が出てきた。


翌日、卒業式は進んで行く、2人ほど欠席者がいるが。


謝恩会も進んで行く、2人ほど欠席者がいるが。


俺は朝から検査、異常がない事を祈る!


音は聞こえるかな? 指は動くかな?


何も考えない日が来るとは? 俺は今日も眠りにつく。


次の日卒業式は出席出来ず、謝恩会も同じに出なかった。


午前中和田さんの旦那さんが弁護士さんを連れて来た。


「初めまして弁護士の○○です、以後よろしくお願いします」


「彼はここの顧問弁護士だ、君の代理人としてお願いしてはと思ってね、連れてきたんだ。良ければこの代理人通知にサインを書いてくれ」


俺は何も考えず、サインをする。


「今回は学園内での事なので、余り裁判などにはいかずに当事者同士で、解決して行きたいと思ってます」


「よろしくお願いします、後彼女を訴える事はしませんよ、ナオコ先生のお姉さんと言う事で、そこの所お願いします」


「はい今回の事は事故として処理しましょうね、ただお金は取りますよ、もし首になっても生活出来る様に」


「大丈夫だ先生、首になっても娘の婿で雇うよ病院で」


「そうなんですか、跡取りくん何ですか」


「彼は優秀だ、4人のうち誰でも嫁にあげるよ! ただし全員は駄目だからなハハハ」


「まあ和田さん、そのような事はありませんよ」


弁護士と旦那さんは、書類を持って出て行く。



午後は三つ子が来て、たわいの無い話でお茶を濁す。


間違っても何もしない。


婦長が来る、風呂の時間だ、入院してはじめての風呂だ! 看護婦の集団に洗われまくる。


「倒れたらいけないので介助しながら洗う様に! 新人看護師達早く慣れて上達する事!」


「「「「「はい」」」」」


そして夕飯、何故に豪華なフランス料理。


「ちょっとこれ食べて良いんですか?」


「大丈夫です、貴方は健康なので規制は有りません」


(美味しい、舌は大丈夫みたいだ)


消灯までTVを見る、音楽番組だ。


芸能人が、ピアノを弾いている。


(下手くそ)耳は大丈夫のようだ!


手はどうする、ピアノを弾くか?


「ほら消灯、なんだいその指の動きは、オッパイでも揉むのかい? 特別サービスしてあげようか」


「良いです寝ます、おやすみなさい」


「はいおやすみ、消すよ」


(危ない気おつけよう)


明日また考えよう。




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