第17話 慰謝料

4月に入った、俺も正式な教師と成ったはずだよな?


婦長が入ってくる。


「おはよう、今日も検査よ後で移動するからね、早々退院はお姉さんの指示でね、もう少し後よ、よろしくね」


「えーとお姉さんて?」


「いつも会っているでしょう、ここの理事長の奥さんよ! 和田家の女主人よ」


「あゝPTA会長さんですか」


「そうよそのお姉さんの指示、ここに置いておけってさ、安全が確保出来るまでだって」


「何ですか安全て?」


「知らないわ、とにかく迎えに看護婦寄越すからね、一緒に検査室に来てね」


婦長は出ていく。


(安全て何だ、ギズが治って安心だろー)


少しして看護婦が、迎えに来てくれる。


「今日も頭の傷の確認よ、車椅子乗ってね」


病院内はどこに移動するにも車椅子だ。


煩わしいが仕方ない。


医師に傷を診てもらい明日抜糸をすると言われた。

「若いから治りが早いね、また明日」


看護婦さんに部屋に連れて行かれる。


入り口に弁護士さんと理事長。


「検査は終わったかい、少し部屋にお邪魔させてくれ」


皆んなで部屋に入る、看護婦さんは車椅子と共に出ていく。


「よし、それでは、事故の報告を先生お願いします」


「はいでは説明します」


書類を渡される。


「まず上から説明します」


弁護士さんから良く話を聞く。


要約すると相手を訴えない、慰謝料を払う。


そして騒動による罰則はないので先生をやってもらう。


「あの慰謝料って?」


「相手はお嬢様ですので将来の事を考えまして、今回の事は事故で持っていた槍が倒れて貴方に当たり怪我をした事にしました。そしてその事の口止め料として、お金は給料に割り増して払い、住む所を提供引越しの手配もしています」


「住む所の提供、引越しの手配?」


「相手よりマンションの提供を受けています! 今理事長の奥様が引越しの準備で貴方のアパートに行ってますよ、その後は新しいマンションに向かいます」


(この間鍵を貸したのはこの事か、着替えを持ってきてくれたと思って頂けた油断した)


「そしてこの書類にサインして下さい、マンションは貴方の物になります」


「税金とかの支払いはどうなりますか?」


「これからの管理費だけです、アパートの家賃に少し足したぐらいのお金が出ますが給料も上がりますので大丈夫でしょう」


「分かりました、それでお願いします」


(今更要らないと言ったら揉めるだけだから仕方ないな)


「良かったよ君が納得してくれて、妻の奴は、相手を刑務所に送ると怒っていてね! 娘の将来の旦那さんに傷つけられたと、凄い剣幕で宥めるのに苦労したよ」


「まだ何も決まってませんよ、お嬢さん達のことは」


「まあ良ければの事だよ、それでこの件はおしまいだ、後は君の抜糸と退院それと新しいマンションに連れていくことだな」


「そのマンションは何処にあります、学園から遠いと困りますが?」


「学園の駅の反対側だよ、商店会を抜けて少しの所だ、便利だよ」


「そうですか安心しました、後何かありますか?」


「いやないよ、引越し準備が終わったら退院だ、マンションまでその時は送るよ」


病院の理事長と弁護士の先生は出ていく。


学園長室。


「では相手の条件で和解は成立しました、書類上は事故での怪我そして過失で起こった事です。ただ相手を傷つけてしまったので、慰謝料を支払う事と慰謝料の内容はそこに記載してある条件で決まりました」


「結構な金額ね、アキナの給料から天引きしたら無くなるわね」


「お母さん御免なさい」


「良いわよ貴女の将来嫁に出す結納金から引いておくわよ、そしてマサシ先生に心から詫びて、キチンと許して貰いなさい」


「ハイ分かっています」


「ナオコもキチンと謝るのよ、そしてこのような事が無いよう良く監視してね!」


「分かっているわよもう言わないで! 目を離した事は、反省しているわよ」


「それでは解散よ、マサシ先生は入学式前日に学園に来ます、間違えの無いように!」


「「ハイ」」


弁護士と姉妹は出ていく。


「はあ良かった、何でこのような事になったのか全然分からないは? しかしあのPTA会長病院から一歩も出さないで監禁してるわね、どうやってあの子に謝らせ様かしら、全ては入学式の前日か・・・・はー胃がいたい」


マサシのアパートの部屋。


「さてさて何が出てくるかな楽しみね! 旦那の時は色々あってその事で、結婚後の主導権を握る事ができた、独身男性の秘密を探ろう」


「お母さんダンボールに、皆んな詰めれば良いの」


「この洋服は、なんか小さいよ」


「この本達は、全部持っていくの?」


「とにかく一度ダンボールに詰めて持っていくわよ。引越し業者さん適当にダンボールに詰めてね」


ダンボールに詰められていく生活用品達。


(合ったコレコレ、そうなんだこんなのが好みなんだ、日本人ばっかりね

若い娘が多いわねふむふむ)


「何見ているのお母さん?」


3つ子の6つの目。


「駄目よまだ早いは、これは変態の物よ」


「先生は、やっぱり変態何だ」


「ガッカリ変態」


「私変態でも良いよ、先生かっこいいし」


「私も変態でもやっぱりいいよ! 頑張る」


「よしお姉ちゃんには変態だから、諦めてと連絡しよう」


「「そうだそうだ」」


「私子供達の性教育、間違っちゃったかも」


そして俺の荷物は、新しい新居に持ち主より先に引っ越していく!
















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