第10話 PTA会長和田アキ子

駅に向かう俺、後ろから付けてくる副局長。


(まいった、大学の就職課また面倒みてくれるかな)


俺は知らなかった、あんな看板が出来た事に!


しかし鬱陶しいな、後ろを振り向く。


「え〜と副局長さんでしたっけ、何か用事ですか」


電柱の後から出てくる。


(昭和の探偵かよ)


「えーと何処に行くのかなーと思って」


「首ですから、とりあえず大学の就職課に行こうと思ってますよ」


「なら一緒に行きましょう」


「イヤイヤついて来ないで下さい」


「大丈夫邪魔しません、それにおね、いえ局長の指示でして」


(今一瞬お姉さんて言いそうだったが?)


俺は無言で歩き出す 。


駅を乗り継ぎ大学の有る駅に、歩いて大学に向かう。


「ちょっと貴方東大卒業なの」


「そうですが何か可笑しいですか」


「いえ失礼しました」


(超優良物件じゃ無い、これは付けて行かないと)


大学に入り就職課に到着。


(うん見慣れない看板が?卒業生お断り)


受付であの事務員を見つける。


「すいませんよろしいですか」


「あゝ貴方は昨日の卒業生、何かしら」


「あの看板はなんですか?」


「あゝあれ、前から合ったのを大きくしたのよ」

(アンタみたいな人が来ないようによ)


「一昨日は無かったですよね」


「合ったの、気づかなかっただけ」


「でも紹介されましたよね、就職先」


「あの時はサービスよ、それに貴方就職出来たでしょう」


「それがあのー・・・」


「何もしかしてもう首になったの、残念! もう紹介は出来ないわよ」


「そこをもう一度お願いします」土下座。


「はい無理、規定で出来ません〜、一昨日おいでですよ」


「そうねお邪魔しました」


副局長に手を引かれて大学を出る。


「よしあそこの喫茶店でお話ししましょう」


手を引かれて喫茶店に。 


「まず初めまして副局長の河合セイコです。昨日は会えなかったけどよろしく」


「よろしく」


「大丈夫まだ首は繋がってるわよ、まだ連絡ないからね」


「いえあの時河合先生に言われました首だと」


「その資格は1教師にあるわけ無いけど?」


「あの人は俺の面接官で管理者で権限を持っていると」


「ウーンちょっと待っててね」


彼女は立ち上がり、ドアの外で電話をかけている。


少しして戻ってきた。


「はい今日は首では有りません! 明日10時に、学園長室に出頭です」


「明日出頭?何故そんな事が?」


「今理事長代理と話して許可取りました。なので明日行きましょう、10時に学園長室に」


「でも首と言われてますよ」


「いいからいいから、そうだこれから飲みに行きましょう! 私の贔屓のお店に!」


外に出てタクシーで移動。


その頃学園では。


「あの娘何処にいるのよ、マサシさんを首て? 何言ってるのよ」


校内にを歩いて音楽教室の廊下に来た。


「いたいた、ナオコ先生ちょっと良いですか?」

(あれ泣いてるの?)


「ヒロミちゃん私マサシさんに酷い事言っちゃった! 首だって」


「なんでそんな事言ったのよ、よく聞かせて」


「教え子のピアノ聴いていたら、ぶつぶつ文句言っているから外に出して口論になったの、そしてね、カッとなって首て言ったのよ、私」


「本当に言ったの」


「言っちゃったの、どうしようワーン」泣くナオコ。


「ちょと待ってよ、どうしよう」電話をかける。


「もしもし学園長連絡があります」


「なーに、マサシ先生の事」


「何故知っているんです、まだそんなに時間掛かって無いはずですね」


「あら貴女のお母さんも知っているわよ、明日の10時関係者全員私の部屋に出頭ナオコにも言って」


ガチャリプープー。


「切られた、ナオコ先生明日10時に学園長室に来いってさ分かった」


「何何故、マサシさんはどうなの」


「分からないわよ、もう1箇所電話」


プープーガチャリ。


「もしもしセイコマサシくんは」


「この携帯は電波の届かない所か電源が入っていません」


ガチャリプープー。


「セイコめマサシさらって行ったな、くそー何処だ」


何故かホテルの最上階の中華料理店。


「あのーここ高いですよね」


「そうね地上43回だったっけ!」


「違います、お値段です」


「大丈夫よ、奢り就職祝いよ」


「先程、首ですが」


「もう貴方首になりたいの?!」


「なりたく無いです、やっと就職したのに」


「そうでしょう、まあ飲んで食べてこれからの事を言うわ!」


一通りのコースを食べて飲んで最後のデザート。


「よし少し酔ったが、隣に行こうマサシ


隣のラウンジへ。


「少し軽いお酒頼んでくれる」


「俺わかりませんよ」


「あれワインの目利き出来るんでしょう、昨日もフランス料理店で偽物見抜いたのよね」


「あれは、たまたまですよ」


「ならそお言う事で、ワイン頼んで」


「リスト見て、これですね」指を鳴らす。


「はいどうしました?」


「これをグラスで2つ」


「1本持ってきて、ケチケチしない私の奢りよ」


「所で首の回避方法ですが」


「あら先生こんばんは、今日はデートですか?」


現れたのは三つ子の母親。


「違いますよ、ちょっと相談事です」


「そう深刻お話?」


「マサシさん誰?」


「えーと三つ子の生徒のお母さんです」


「和田よ和田アキ子よ、貴女は?」


「初めまして、いつも学園を応援してくれて感謝してます、事務局副長の河合セイコです」


「あらあらうちの方こそ娘たちを預かって貰って、ご苦労様です」ぺこり。


「それで深刻な話の内容は何かしら」


「いえご父兄に相談する事では、無い事なので」


「何男女の事?」


「違いますよ、学校の話です」


「学校の事なら聞く権利はあるわね! これでもPTA会長ですもの」

















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