あーあ

桝克人

あーあ

毎日料理をする中で苦手なことがいくつかある。


ひとつは同じ大きさに切ることだ。特に苦手なものはリンゴの六等分である。均等に綺麗に切る方法がわからない。半分にしたりんごに刃を当てて、私が思う「三等分はここだ」と思う箇所から少し内側にして漸くマシな程度だ。四人家族だとそれほど苦労しないはずである。


次に苦手なのは最後の一味だ。なにかもの足りないと思った時に入れるものが決まらない。今日もチャーハンを作ったのはいいものの最後の一味が決まらず、結局ニンニク醤油を入れた。結果、決まらなかった。元々味付けが薄いものを好み、足す量もちょっとだけになってしまうのだ。入れすぎるより良いと言い聞かせることにしている。健康も大事だ。


そしてもう一つ苦手なことが絹豆腐をケースから取り出すこと。艶やかでぷるんとした絹豆腐を綺麗に取り出す方法が未だにわからない。スーパーで売っている最近の豆腐は開けやすい蓋になっているものもあるけれど、昔ながらのお豆腐屋さんの豆腐はぴっちりとしまってあるのは想像できるだろうか。話はそれるが、豆の味がしっかりする豆腐が好みだ。

水分がぱんぱんにつめてあり蓋がぷくっと浮き上がっている豆腐ケースは、端に包丁の刃をいれて、ぺりりと捲ってから余分な水分を捨てて掌に、またはまな板の上に取り出す。ドキドキしながらゆっくりとケースをひっくり返し真っ白な四角い豆腐を取り出す…と大抵角がひとつぐちゃっと落ちてしまうのである。冷ややっことして食べる時にはもう災難である。作った側の責任を取る形で、切り分けた豆腐のうち綺麗な長方形のもの―——当然平等には切れていない―――を家族に振舞い、私は角の取れたぐちゃっとした豆腐を食べるのだ。


豆腐ハンバーグはとても魅力的な料理だ。豆腐の形など気にしなくても良いし、ヘルシーで体にも良い。最後の一味が決まればの話ではあるが。

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あーあ 桝克人 @katsuto_masu

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