授爵の式典

 メドゥリアさんの陞爵しょうしゃくと、十氏族への爵位の付与ふよのために、魔王城を訪れた僕たち。

 てっきり、僕の身内だけへの授爵じゅしゃくのお話だと思っていたのだけれど。

 実は、意外と大きな式典だったのだと、会場に入って思い知る。


 巨大な謁見えっけんに集まった、大勢の魔族たち。

 謁見の間の最奥には見上げる階段が設置され、最も高い位置の壇上に魔王の玉座が据えられている。

 階段には、ずらりと儀仗兵ぎじょうへいや近衛隊が並ぶ。


 力こそが上位者の絶対条件であることを示すように、これ見よがしに配下の上級魔族たちを見せつける演出だ。


 階段下。左側にも武官が大勢並んでいる。

 まだ面識のない武将も多く見て取れる。きっと、魔王城に配置されていない軍隊の将軍や武官たちだ。

 その中で、ルイララは最前列に並んでいる。こうして序列のはっきりとした並びのなかでルイララを見ると、彼も巨人の魔王の最側近なんだな、と改めて思わされちゃうね。


 階段下の右側には、文官らしき衣装の魔族たちが整列している。

 こちらは、意外と見知った者が多いね。

 まあ、最前列側の方だけだけど。

 列の後ろの方になると、やはり知らない顔が多くなっていく。

 中庭に出迎えに来てくれていた者たちがいかに高官の者ばかりだったのか、思い知らされるね。


 そして、国の中枢を担う武官や文官の背後に、貴族たちが並んでいる。

 きっとあの順番も、玉座に近い方から高位の身分なんだろうね。

 猫公爵ねここうしゃくのアステルが、貴族のなかでもっとも高い位置にいる。気のせいでしょうか。物質創造でお酒を創り出して、すでに飲み始めています。周りの魔族たちがどん引きしていますよ!

 あとは残念ながら、他の貴族の魔族たちにはそれほど見知った者は存在しなかった。

 爵位を持つ貴族になると、自分の領地に普段は住んでいるだろうからね。それは仕方がない。


 また、統一された様式の衣装や武具を身に纏う武官や文官とは違い、貴族の列は身分相応の衣装で着飾った者や、後ろの列なのに見栄を張って豪華な衣装を着ている者と、様々な感性が入り乱れたにぎやかな見た目になっていた。

 きっと、こういう場で自身の存在を誇示こじしないと、周りの魔族たちに舐められて足元をすくわれるんだろうね。


 面白いことに、人の姿をしていない魔族も、それなりの衣装に身を包んでいた。

 前に招ばれた宴会の席などでは、衣類の必要のない者は衣装なんて身に纏っていなかったんだけど。

 こういう正式な式典では、どうやら衣装を纏うことが正装の条件らしい。


 そうして謁見の間の前方を見回している僕たちは、貴族の列の背後になる。

 ここからは、貴賓きひんなどの列になるみたいだね。

 貴賓が後ろの席になる、というのも面白い。

 普通なら、貴賓は丁重に扱わないといけないから、特別な列などが準備されていてもいいと思うんだけど。


 でも、魔族の国はやはり違うんだ。

 力こそが全て。

 支配力を示し、魔王としての畏怖いふを支配下の者たちに見せつけなければならない。だから玉座は見上げるほど高い位置に据えられているし、武官や近衛兵たちが文官よりも目立つ。


 恐ろしい魔族や強力な魔力を持つ武将たちを平伏させる。それによって、来賓には魔王の恐ろしさを示すんだ。

 だから、自分の臣下が前方を占め、支配力と畏怖をそこまで示さなくても良い来客の扱いは後回しなんだね。そうすれば、いやおうでも来賓の視界に全てが映るからね。


 そういうわけで、僕たちは来賓の列に並んでいるんだけど……


「ふふふふふ。ふふふふふ。こんにちは、竜王」

「こ、こんにちは?」


 何故なぜでしょう。

 妻や流れ星さまたちは僕の右側にずらりと並んでいるんだけど。

 貴賓の列の最も上位の場所には、見知らぬ少女が居た。そして、僕を見上げて愛らしく微笑む。

 だけど、僕は顔を引きらせるばかり。


 つい最近、聞いたことのある声。

 でも、声の主を見るのは初めて。

 金髪碧眼きんぱつへきがんの、見るからにお人形さんのように整った顔立ちの少女。背は、僕の胸くらい。黒い衣装を着込んだ姿は、少女然とした雰囲気ふんいきではなく、上位魔族さえもおびえさせるような気配に包まれていた。


「ま、まさかエリンお嬢ちゃん!」


 僕のあげた声に、前方の貴族の列だけでなく、周囲の魔族全員がびくりっ、と震えた。


「初めまして、とは言えないのかしら? 竜王エルネア・イース。そのお嬢ちゃん呼ばわりは辞めていただけませんでしょうか? 私、あまり好きではないの」

「ははは。見た目がお嬢さんなんだし、これからもエリンお嬢ちゃんと呼ばせてもらうね?」


 僕は、周囲の緊張なんて気にせずに、微笑む。


 周囲の魔族は、戦々恐々だろうね。

 魔族は、名前を呼ばれることを嫌う。しかも、僕が名前で呼んだ相手は、始祖族だ。

 さらに言うなら、本人が「辞めて」と言っているなかで、僕はえて名前を口にするんだから。


 そう。僕たちよりも前に並ぶ少女は、傀儡の王エリンベリルだった!


 ……なぜ!

 なぜ、傀儡の王が授爵の式典の貴賓として参列しているのかな!?

 よし、素直に聞いてみよう!


「エリンお嬢ちゃん。なんでここにいるのかな?」


 僕の質問に、苦笑を浮かべるエリンお嬢ちゃん。

 どうやら、僕がかたくなに「エリンお嬢ちゃん」と呼ぶことに困っているらしい。

 でも、知らない!

 僕たちにちょっかいを出したのは、傀儡の王の方が先だからね。

 巨人の魔王が威厳を示しているように、僕だって舐められないように振る舞うよ。


「困ったお人ですこと。ですが、良しとしましょう。ふふふふ。今日は巨人の魔王に招待されて、来ましたの。ご安心くださいね? ここで人形劇を披露するほど愚かではありませんので」

「つまり、エリンお嬢ちゃんでも巨人の魔王は恐ろしいってことだね?」


 それはよかったね、みんな! と家族の方を見て微笑む僕。

 家族のみんなは、困ったように苦笑していました!

 これが、迷惑千万な傀儡の王かと。そして、それに気安く話しかける僕に。


「エルネア、あまり落ち着きなく周りを見ないの。それと、傀儡の王にも話しかけない。そろそろ、式典が始まるわよ?」

「はい!」


 傀儡の王とは逆側に立つミストラルに促されて、僕は身を正す。


「巨人の魔王陛下、ご降臨こうりん!」


 知らせと共に、音楽が謁見の間に鳴り響く。

 魔族たちが平伏していく中、見上げる玉座の前に濃い瘴気しょうきが発生した。

 闇よりも暗い瘴気に、紫電しでんはしる。そして瘴気の闇から、青い豪奢ごうしゃな衣装の巨人の魔王と、黄色を基調きちょうとした衣装のシャルロットが姿を現した。

 魔王は、謁見の間をゆっくりと見渡して、玉座に座る。


 今この場で平伏していない者は、階段に並ぶ儀仗兵や近衛隊。そして一部の魔族と、僕たちだけだ。


 壮観だね!


「巨人の魔王を前に平伏しないなんて、なんて不遜ふそんな人族なのでございましょう。ふふふ。ですがそれが素敵です」

「そういうエリンお嬢ちゃんも平伏していないよね?」

「私は、あの方の臣下ではありませんし、格下だとも思っていませんので」


 と、小声で会話を交わす僕とエリンお嬢ちゃん。あとは、僕の家族と流れ星さまたち、それに猫公爵のアステルなんかも平伏していない。

 前方では、ルイララでさえ平伏しているのにね。


「全ての者はおもてを上げなさい。あと、そこの方々は目立ちすぎますので、腰を下ろしてくださいませね?」


 壇上のシャルロットと目が合っちゃった。

 ほぼ全員が平伏している中で立ち続けるのは、確かに目立つよね。ということで、腰を下ろす僕たち。

 流れ星さまたちは緊張に包まれていて、自分の意志というよりも僕たちに合わせるように腰を下ろす。

 もちろん、エリンお嬢ちゃんやアステルなども座る。


「これより、授爵の式典を執り行います」


 進行役は、宰相のシャルロット。

 シャルロットに促されると、僕たちのずっと背後にある謁見の間の大扉が開かれる。

 そして、入場してくる魔族たち。


 多いね!

 僕はてっきり、メドゥリアさんと十氏族だけの式典だと思っていた。でも、魔王は僕たちだけでなく、国全体を見ていたんだよね。


 クシャリラの領土を正式に支配して、少し経つ。

 でもそれまでは、クシャリラの元領土は荒れに荒れて、荒廃していた。

 魔王はそこに新たな貴族を配置して、支配を盤石にするつもりのようだ。

 もとから巨人の魔王の国で功績のあった者や、クシャリラ時代の貴族の生き残りを、今回の式典で巨人の魔王の正式な臣下に迎え入れて、爵位を与える。

 今回の式典の本当の狙いはそこにあり、メドゥリアさんや十氏族への配慮もそこに含まれるわけだね。


 入室してきた魔族たちは、階段下に並ぶ貴族たちの間にできた真ん中の通りを進み、階段下で平伏する。

 武官や文官の更に前に出ていることで、入室してきた魔族たちは最大の緊張に包まれているね。

 メドゥリアさんや十氏族の後ろ姿から、緊張が痛いほど伝わってくるよ。


 僕たちが見守る中、式典は執り行われていく。

 壇上で、シャルロットが魔族の名前を呼ぶ。

 シャルロットは最上位の魔族だからね。彼女に名前を呼ばれて不機嫌になるような魔族はいない。それどころか、雲の上の存在である宰相に直々に名前を呼ばれて、余計に緊張してしまう魔族たち。


 名前を呼ばれた魔族は立ち上がる。

 すると、文官の列からひとりが抜け出して、階段下の中央へ進む。

 副宰相だね。

 そして、名前を呼ばれた者の功績が読み上げられる。

 最初に名前を呼ばれた魔族は、大柄な男だった。

 どうやら彼は、戦乱が続いた時代に、自身の領土を手堅く守り続けたようだね。その功績で、陞爵するみたいだ。


 功績を読み上げられると、次に副宰相が勲章のような物を渡す。

 勲章のような物を受け取った魔族は感極まって肩を振るわせながら、深く平伏する。

 そしてこれからの決意を口上こうじょうすると、列を離れる。

 列から離れた魔族はそのまま背後に並ぶ貴族の列に加わった。


 なるほど。

 式典はこういう流れなのか、と後ろの方から見守る僕たち。

 次々と、魔族の名前がシャルロットに呼ばれていく。

 そして副宰相が功績を述べ、授爵し、貴族の列に入っていく。


 でも、メドゥリアさんと十氏族の名前が呼ばれないね?

 見ている感じだと、高位の爵位を授かる者から順番に呼ばれているような気がするんだけど?

 そう考えると、元々が男爵位だったメドゥリアさんが陞爵すると、伯爵とかになると思うんだけどね?

 十氏族は、男爵かな?


 でも、なかなか名前が呼ばれない。

 そうしているうちに、階段下に並んだ者たちはほぼ全てが授爵し、貴族の列に加わった。


「うーむ、嫌な予感しかしない」


 残されたメドゥリアさんと十氏族たち。

 メドゥリアさんたちも、自分たちだけが呼ばれないことに違和感を覚えているようだ。特に、陞爵するはずのメドゥリアさんはね。


「さて」


 と、メドゥリアさんと十氏族以外の全員が爵位をたまわった後に、一段落いちだんらく置くような声を発するシャルロット。

 気のせいかな。僕を壇上から見つめて微笑んでいますよ!

 もしや、僕は空間跳躍を使って全力で逃げた方が良いのかな!?


「逃げた場合は、プリシアを人質に取る」

「壇上にまで僕の心がだだ漏れになっている!?」


 これまで、玉座に座っただけでひと言も声を発さず、身動きも見せなかった巨人の魔王がそう言うと、立ち上がった。

 それだけで、面を上げていた魔族たちが平伏する。それを、改めてシャルロットが正す。

 平伏していたら、魔王の威厳を見せつける式典を誰も見届けられないからね。

 威光を示すよりも、式典を見せることの方が、今は重要なんだね。


 でも僕は、逃げ出す方が重要だと思うのです!

 だけど、逃げ出したらプリシアちゃんが人質になっちゃう! ……いや、プリシアちゃんなら嬉々として魔王に囚われるだろうね。

 なにせ、魔王は甘やかしてくれるからね!

 お勉強はしなくていいし、おしかりもされないからね。

 そんな環境に、プリシアちゃんを渡すわけにはいきません!


 とはいえ、逃げないと嫌な予感がするんだよねぇ……


 ふふふ、と壇上から僕を見下ろして、シャルロットが悪魔的な笑みを浮かべる。

 まさに、金色こんじききみらしい極悪さですよ!


 シャルロットは、糸目を更に細めて微笑みながら僕を見つめ。

 そして、次の名前を読んだ。


「エルネア・イース」

「いやいやんっ!」


 なんで僕の名前を呼ぶのかな!?

 今は、魔族の授爵の式典ですよね?


 だけど、僕の心の悲鳴を他所よそに、魔王が容赦なく声を振らせてくる。


「エルネア・イース。壇上へ上がれ」

「なんで僕だけ壇上なのかな!?」


 式典は、階段の下で執り行われていた。

 魔王が君臨する壇上には、宰相であるシャルロットのみが立てる。だというのに、僕がそこに呼ばれた!?


「ミストラル、逃げても良いかな?」

「駄目よ。プリシアが魔王になったらどうするの?」

「うっ、それは……」

「大丈夫よ。魔王はきちんとこちらのことを考えてくれているから」

「そうかなぁ」


 僕はまた弄ばれているだけのような気がするんだけどね?

 でも、魔王から直接名前を呼ばれたからには、無視するわけにはいかない。プリシアちゃんの運命がかかっているからね。

 仕方なく、僕は貴賓の列から離れて、前方へ向かう。


 僕のことを知らない魔族たちが「人族如きが出しゃばりやがって」と殺気の籠った視線を向けてくる。

 僕はそうした視線や興味津々の瞳を向けられながら、階段を上がっていく。

 そうして、壇上へ上がる僕。

 魔王の前に立つと、にやり、と笑みを浮かべられた。


「エルネア・イース。其方に称号を授ける」

「いりません!!」


 即答する僕に、会場が一瞬で凍りつく。

 支配者たる魔王の意志を拒絶すれば、魔族であれば死が降ってくる。だけど、僕はそれでも拒絶します。

 魔族の称号は必要ありませんよ!

 魔王位も断った僕だ。いまさら魔王から称号を与えると言われても、必要ありません。


「まあ、聞け」


 すると、僕の心を読んだ魔王が、謁見の間の先まで届く声で話す。


「其方は、かたより直々に魔王位への推挙があった。其方はそれを断ったが。しかし、魔族の国にも体裁はある。魔族の意志を寄せ付けぬ其方が自由に動くことは、魔族の誇りに関わるのだ」


 たしかに、人族の僕が魔族の支配する地域で自由勝手に動き回るのは良くないよね。

 人族の国で、魔王が自由に活動しているようなものだ。……いや、目の前の人は確かに自由勝手に動き回っています。

 それはともかくとして。

 魔王の言っていることは理解できる。でも、今更に称号だなんてものは必要ないです!


「魔王位さえ断った其方だ。今更、私が其方に何かを授けることはない。しかし、彼の方々は別だ」


 言って、魔王自ら勲章くんしょうのような物を取り出した。

 朱色しゅいろに染まった宝玉がめ込まれた、胸飾りのような宝飾品。


「彼の方の代理として、私が其方に称号を贈る。エルネア・イース。其方を大公たいこうという新たな称号で魔族の国に迎えよう」


 大公?

 よくわからない称号だけど、やっぱりそういうものはいらない。

 だって、称号を授かってしまうと、魔族の国に帰属するって意味になる気がするからね。

 だけど、魔王はそういう僕の心も含めて言う。


「聞け。魔族の支配する領土で、竜人族の称号である『竜王』を名乗られると、色々と面倒なのだ。よって、魔族の国では『大公』」と名乗れ。言ったであろう。これは称号だ。責務の生まれる爵位ではない」

「あっ、そうか!」


 僕は、まだまだ配慮はいりょのできない未熟者のようだね。

 そうだよね。竜王とは竜人族の称号なんだ。

 つまり竜王が魔族の国で好き勝手をすると、魔族が竜人族に屈した、と捉える者だっているんだよね。

 だから、魔族の国で名乗る称号が付与されたわけか。


 単なる称号だから、魔王や貴族のような権利や義務は全く発生しない。

 だけど、魔族の真の支配者が僕だけに特別な称号を贈ったことに意味がある。

 つまり、大公の僕に手を出すということは、魔族の支配者に喧嘩を売ることに等しい。

 この称号は、魔族に僕たちの特別性を知らしめて、余生な騒動を起こさせないための意味合いも含まれているんだね。

 これが、相手のことまで考えた本当の配慮というものなんだね。


「それでは、称号でしたらお受けします」


 これは、断るわけにはいかないね。

 断ったら、魔族の支配者の意向を二度も拒絶したってことになって、逆に魔族の国には居られなくなっちゃうかもしれないからね!


 僕が受諾じゅだくすると、魔王自らが僕の胸に勲章を付けてくれた。

 そして僕の要件が終わるとようやく、メドゥリアさんの名前が呼ばれる。


 そして、爵位が付与された。


 辺境伯へんきょうはくという、これまた特殊な爵位を授かったメドゥリアさんに、会場から少なくないどよめきが起きる。


「皆の者、聞け。メドゥリアを辺境伯とし、家臣の十氏族を男爵位とする。この者たちは、大公エルネア・イースの門閥もんばつ貴族として、辺境の領地を与えることとする」


 魔王の言葉に、更なるどよめきが広がった。


 大公である僕は、竜王の都の支配権を持つ。メドゥリアさんは竜王の都を含む周囲一帯の筆頭領主となって、十氏族がその下に就く。

 十氏族はこれから地方貴族として、竜王の都の運営だけでなく、メドゥリアさんに与えられた領地内に自分たちの街や村をおこして、領地運営もしなきゃいけなくなるんだね。


 しかも、門閥ということを魔王が自ら公言した以上、メドゥリアさんや十氏族は僕の家族のようなものだ。

 つまり、禁領手前の辺境地帯で悪巧みをするということは、家長である大公の僕に敵意を向けることになる。そして僕に称号を授けた魔族の支配者に刃向かうことを意味するんだね。


 魔王が気を回してくれたのか。それとも、魔族の支配者が仕組んだことなのか。ともあれ、これで僕たちの周りに余計な騒動が起きなくなるのなら、甘んじて受け入れよう。


 僕を含む、授爵した者たちに、盛大な拍手と歓声が送られた。

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