精霊の支配者

 僕、アレスさん、プリシアちゃん。三人が引き起こした不思議な現象に、誰もが息を呑む。

 だけど、それも束の間。


奇怪きかいな術に惑わされるなっ。者ども、耳長族も人族も、皆殺しだ!!」


 赤褐色の肌をした毛むくじゃらの巨人が野太い声で号令を発すると、巨人族の軍勢はときの声をあげて動き出す。

 不可視の結界を破ろうと、巨大なおのついを振りかざす者。同じように結界の外で手をこまねいている耳長族の戦士へと、襲いかかる者。

 耳長族の戦士たちは、最初は僕たちの方を呆然と見ていたけど、巨人族の動きに呼応して臨戦態勢へと移る。


 しかしそこへ、夜の冷たい空気よりも底冷えする殺気が静かに吹き抜けた。


「大人しくしてもらえるかしら? 暴れると言うのなら、わたしたちが相手になるけど?」


 ぞわり、と僕たち家族でさえも背筋を凍らせるような殺気。

 夜の暗闇に浮かぶ、青く輝く双眼。

 竜人族を代表する実力者、竜姫りゅうきの他を圧する気配に、誰もが動きを止める。


「竜人族……」


 巨人族も、竜人族の圧倒的な戦闘力は聞き及んでいるんだろうね。

 雄々しく号令を発した赤褐色の巨人でさえ、額に汗を浮かべてこちらを見ていた。


 でも、おどしのく時間は僅かだ。

 さすがのミストラルでも、巨人族の軍勢と耳長族の戦士たちを相手に、犠牲を出さずに事を抑えられるような力はない。

 巨人族と耳長族がそれに気付くまでの僅かな時間が勝負だ。


 周囲の喧騒けんそうをよそに、ユンさんとリンさんはしのぎをけずりあっていた。


「お姉ちゃんなんて、お姉ちゃんなんて……!」

「諦めろ。我もリンも、もう消える間際だ。たとえ我を消しても、復讐は果たせない」

「そんなの、わからないよっ。また、精霊を……」

「リンッ!!」


 それ以上は、口にしてはいけない。

 ユンさんの厳しい叱咤しっせきに、リンさんは口を閉ざす。でも、お互いの存在を消しあう争いは続く。

 己の精霊力をもって、相手の力と存在を蝕み、世界から消滅させる。

 見る見るうちに、ユンさんとリンさんは身体の先から透過していく。

 透明になった身体は、終いには輪郭を失い、気配ごと世界から消えていく。


 僕とプリシアちゃんとアレスちゃんから放たれた、新緑色の光に包まれている二人。だけど、そちらに気を配る様子もなく、姉妹は争いに没頭していた。


「んんっと、喧嘩は駄目なんだよ?」

「ええい、分からず屋の姉妹どもめっ」


 プリシアちゃんとアレスさんが、更なる力を解き放った。

 新緑色の光は、一層の輝きを増す。

 そして、目を開けていられないような閃光を発して、全てを包み込んだ。






 夢のような世界だった。

 そう、まるで、夢見ゆめみ巫女様みこさまの夢に囚われたときのような感覚。

 だけど、あのときとは決定的に違うものがある。

 世界を満たす、濃密な気配。

 まるで水中にでもいるかのように、全身にまとわりついてくる「なにか」は、森の木々が風を受けると、同じように揺れて世界を撹拌かくはんする。

 触れるこの気配は、まるで心地よい風のようであり、肌を焼く熱波のようでもある。

 冷たいような、熱いような。心地良いような、痛いような。

 ひと言では表現できない、全身の感覚が解放されたような曖昧あいまいな世界。


 僕は、ユンさんとリンさんを見ていたはず。

 ううん、今も確かに、僕の瞳はユンさんとリンさんを捉えている。握り合った手で繋がっているアレスさんとプリシアちゃんも側にいる。

 だけど、ミストラルや他のみんなとは違う世界に存在しているかのような感覚。


 巨人族や耳長族を威嚇するミストラル。なにが起きてもいいように身構えるユフィーリアとニーナ。必死に僕たちを補佐するライラと、ユンさんとリンさんを心配そうに見つめるルイセイネ。

 たしかに、すぐ側にいる。だけど、遠くに感じる。


 そうだ。

 夢見の巫女様の見る夢のなかで、竜族のみんなと空の散歩をしたときと同じだ。

 僕たちは全てを認識しているのに、近いようで遠くに感じる世界は別の出来事のよう。

 そのときの世界観と酷似こくじしていた。


 ただ、夢見の巫女様の見る夢とは決定的に違うことがあった。


 真っ白な、無垢むくの空間ではなく、世界は万色に包まれていた。

 にじのように輝くのではない、あわい色が世界を満たしてただよう。

 樹々が風で動くたびに。誰かが身動きをするたびに色は混ざり合い、変化する。


 そして、僕たちはなにかに引き寄せられていた。


 此処ここでない何処どこか。

 一度そこへ行ってしまうと、もう戻ってこられない「何処か」に、無抵抗で引き寄せられる感覚。


『急げ。ここには長く滞在はできぬぞ』

『うん、わかった』


 なぜか、アレスさんの声は口からの音声ではなく、頭に直接と響く。同じように、僕の声も音にはならなかった。


『んんっと、プリシアはみんなとお友達になりたいの』

『そうだね。ならユンさんとリンさんともお友達になろうね』


 言って、僕はアレスさんと繋がっている方とは逆の、ライラの手を離して、プリシアちゃんとアレスさんと共に歩き出す。

 僕が手を離したことに、ライラは違和感を覚えない。というか、気づいてさえいない。

 やはり、僕たちは今、さっきまでとは違う世界にいるんだね。


『ねえ、もう喧嘩は止めようよ。もう、いっぱい傷つけあったでしょ? いっぱい悲しい思いをしたでしょ?』

『っ!?』


 傍に歩み寄って、そう声をかけたときに、ユンさんとリンさんはようやく、世界の変化に気づいたみたい。そして、不思議な空間へと迷い込んだこと、そこに僕たちも一緒に存在していることに驚愕した。


『き、君らは……。なにをしている、早くここから立ち去れ!』

『人族が……なんでこんなところに居るのよっ!』


 なんで居るのか、と問われても困ります。


『はい。早く戻った方が良いと切実に感じているよ。長居すると戻れなくなりそうだし。でも、帰るならユンさんとリンさんも一緒だよ?』

『なにを……』


 言っている、とユンさんは眉根を寄せる。リンさんは馬鹿なことを、と呆れを通り越して僕たちに怒りの感情を向けてきた。


『ねえ、二人とも。帰ろうよ?』

『帰りたければ、君らだけで帰れ。我はリンと共に消えるのだ』

『消えるのはお姉ちゃんだけよっ。我はまだ消えない。復讐を果たすんだっ』


 リンさんは、に及んでも復讐の心に支配されていた。

 だけど、それはそうだよね。

 巨人族や耳長族を恨み続けて三百五十年。ようやく恨みを晴らす機会が訪れたんだ。暗くねじり曲がった願いだけど、それが成就じょうじゅしようとする目前で願望を手放すような者はいない。


 でも、僕はリンさんの願望が叶うことを望まない。

 だって……


『リンさんの考えは間違っている。復讐は次の復讐しか生まないんだ』

『だから、巨人族と耳長族を根絶やしにして……』

『ううん、それでも次の憎悪や悲しみは生まれるよ。ランさんはどうするの? 巻き込みたくないといって湖の底に封印したランさんは、リンさんが消えれば封印から解かれるんだよね? でも、戻ってきてどう思うのかな。誰もいなくなった森にひとり残されて。同じ種族の仲間も、唯一の姉妹も消えた森で、ランさんはどうなるの?』

『そうだ、リン。ランをひとりにすることがお前の復讐の成果かっ!?』

『違う、我はランを……』

『違わないよ。リンさんの復讐の先には、悲劇しかない』

『そんなの……。じゃあ、お姉ちゃんの行動は許されるわけ? お姉ちゃんは、我と共に消えると言っているのよ。二人の姉が消えて、ランは悲しまないの?』

『なにを言っているのかな? 僕は、ユンさんにも帰ろうって言ってるんだよ?』


 リンさんの復讐は間違っている。それと同時に、ユンさんの責任の取り方も間違っていると僕は思うんだよね。

 僕の言葉に、リンさんだけじゃなくてユンさんも噛み付いてきた。


『君こそなにを言っている? 我らに残された道は、もうこれしか残っていない。耳長族たちの恨みや怒りを消し去る方法は、元凶の我ら二人が消えることだ。我らが消えれば、耳長族はまた団結できる』

『ううん、それは無理だよ。二人の犠牲で、耳長族はたしかにきずなを取り戻すかもしれない。だけど、失ったものは戻ってこないんだ』

『失ったもの?』

『そう。暁の樹海や、そこに住んでいた人たち。それに、この事件で亡くなった人や精霊たちはかえってこないんだよ』

『それは……そうだが……。だが、だからこそ、誰かが責任を取らなければ』

『ユンさんのやり方は、正しい責任の取り方じゃないよ! リンさんの復讐が間違っているように、ユンさんの責任の取り方も間違っているんだ!』

『なっ……』


 僕はアレスさんから手を離すと、ユンさんとリンさんを掴む。

 なぜか、今にも消えそうだったユンさんとリンさんは、こちらではしっかりとした全身を保っていた。

 僕は二人の腕を掴むと、問答無用で引き剥がす。

 華奢な二人は、竜気満点の剛力な僕によって、簡単に引き離された。


『復讐心とか、悲しい感情を捨てろなんて言わないよ。でもね、リンさん。いつまでもそれに囚われ続けちゃいけないんだ』


 リンさんを見る。

 リンさんは強引に引っ張られたせいで体勢を崩していたけど、まっすぐ僕を睨んでいた。


『悲しいからこそ……。辛い体験をしたからこそ、それを自分のものにしなきゃいけないんだ、と僕は思う。何百年も耳長族と巨人族を恨んできたんだよね? じゃあ、復讐した相手の身内も同じような感情に囚われて苦しむとは考えないの?』

『だから、根絶やしにして……』

『そんなの、無理に決まっている! ランさんを残す時点で、根絶やしなんかじゃない。ランさんなら、何百年も悲しみを背負って生きていけるとでも言うの? それこそ、ひどい復讐の結果だよ。リンさんは三百五十年間、辛く苦しかったんだよね? 耳長族の寿命は約一千年と教えられたんだけど。ランさんは残りの数百年、リンさんが耐えた年月よりも長い刻を苦しまなきゃいけないの? それがリンさんの望む復讐の結末なら、僕は絶対に認めない!』


 ふいっ、とリンさんは僕から気まづそうに視線を逸らす。


『ねえ、リンさん。辛いこととか悲しいこととか、深く知っているリンさんだからこそできることがあると思うんだ』

『我に……できること?』

『うん。だから、僕たちを信じて、帰ろうよ?』


 僕は、リンさんに今度は優しく手を差し伸べた。


『しかし、エルネアよ。我らはもう……』

『そうそう、ユンさんも一緒に帰るんだよ』

『いや、だから……』

『帰ったら、みんなの恨みを背負っちゃう? 耳長族の禁忌を犯し、巨人族と内通した罪を背負っちゃう? だから、二人は消えて逃げるの?』


 僕はユンさんに向き直る。

 ユンさんは僕の指摘に厳しい表情をとるけど、反論できずに口をつぐんでいた。


『ずるいと思うんだ。悪いことをした責任を命であがなうとか、世界から罪と一緒に消えるなんて、卑怯だと思うんだ』

『……では、エルネアはどうすべきだと言うのだ?』

『うん。素直に、ごめんなさいって謝ろうよ。あっ、いま、頭を下げただけで許されるような問題じゃない、って思ったでしょ? たしかにね。でもさ、謝罪はまず、ごめんなさいからだよ! いつも謝っている僕が言うんだから間違いない』

『……それで、頭を下げたあとに許してもらえない場合はどうする?』

『許してもらえるまで、誠心誠意、罪を償い続けるんだよ』


 レヴァリアがそうであるように、みんなが「許す」と言ってくれるまで、謝罪し続ける。それこそが本当の反省であり、償いの方法だと思う。


『巨人族と内通して、耳長族にたくさんの犠牲者が出ちゃったね。燃える森で迷って、更に多くの人たちが死んじゃったね。リンさんは、深い罪を負ってしまった。ユンさんは姉としてリンさんと共に罪を償うと言うのなら、一緒に帰って謝ろうよ』

『それだけじゃない。我らは耳長族の禁忌を犯してしまった。これは許されないことだ』

『耳長族の禁忌か……。ねえ、アレスさん。ずっと聞こうと思っていたんだけど、精霊は耳長族の禁忌についてどう思っているのかな?』


 精霊は自分たちのことを語らない。カーリーさんはそう言っていたけど、アレスちゃんはあとでね、と呟いてくれた。

 もしかして、実は耳長族と精霊は仲が良いわけじゃない?


『違うな。仲が良い悪いの問題ではない。精霊が自らのことを多く語ってしまえば、耳長族を誘惑してしまうからだ』


 僕の思考を読んだアレスさんが言う。


『エルネアも知っているであろう。耳長族は力を使いすぎると精霊によってこの世界から消される』

『精霊の世界に連れて行かれちゃうんだよね?』


 今も、僕たちを「何処か」へと引きずり込もうとする力。それはきっと、精霊たちが自分たちの世界へと連れ去ろうとする引力なんじゃないかな。


『そうだ。精霊の力を使い過ぎた者は、精霊に連れ去られる。だが、普通に力を使った者と精霊を取り込んで消えた者とでは、その後が違う』

『と、言うと?』


 ユンさんとリンさんは、アレスさんの正体を知らない。二人は、不思議な気配を放つアレスさんの言葉に、いつのまにか耳を傾けていた。


『エルネアが竜の森で精霊王に誘われたように、普通は精霊と共に暮らす』

『僕の場合は、水の底で永遠に眠ろうとか言われたような気がするんですが……』

『精霊王に誘われたですって!?』


 リンさんの裏返った声は、アレスさんに黙殺された。


『だが、この者らのように精霊を取り込んだ者は、精霊のことわりが支配する世界で、王になる』

『それって、精霊王とは違うの?』

『違うな。言うなれば、其方のように象徴としての王に近い存在が精霊王だ。偉大なる力を持ち、他を敬意で導く。だが、精霊を取り込んだ者が精霊の世界に来れば、権力を持った王になる。精霊を支配する実権を持った存在だ』

『象徴の王と、実権の王……。ってことはもしかして、アレスさんが最初にユンさんを見たときに警戒したのは……?』

『エルネアは察しが良いから好きだ』

『うわっ、お胸様を押し付けないでっ』

『ど、どういうことだ?』


 ユンさんが疑問を口にする。すると、アレスさんは砦前で見せたような剣呑けんのんな気配ではなく、優しい眼差しで答えた。


『実権を持つ王は、人の世でも精霊の理でも賢王けんおう暴君ぼうくんに別れる。暴虐ぼうぎゃくの王が支配者になると、わらわたちとて困るのでな』

『あのとき、アレスさんが剣を突きつけたり他の精霊が警戒していたのは、ユンさんが良い人か悪い人か見極めるためだったんだね』

『結果は……?』


 ごくり、とユンさんとリンさんが唾を飲み込んだ。


『其方は、少なくとも精霊たちに愛されていた。それが答えであろう』

『ユンお姉ちゃん……。じゃあ、我は暴君だよね。我はお姉ちゃんやランのように精霊には愛されていなかった。それに、自ら精霊をこの手にかけたのだから。では、悪い王になる我はどうなるの?』


 リンさんは、表情を曇らせていた。

 力を使い果たせば、世界から消えてしまう。その覚悟はあったんだと思う。でもまさか、消えたあとに精霊の理が支配する世界で王になるなんて、予想外すぎるよね。

 そして、自分は王には相応しくない、と自覚している。

 リンさんは、恐る恐るアレスさんを見た。

 きっと、自分に裁定さいていを下すのは、不思議な精霊であるアレスさんだと思っているに違いない。

 だけど、アレスさんはリンさんの質問には答えず、僕を見た。


『力を限界以上に使ったとしても、精霊の世界で生きることになる。しかも精霊を取り込んでそちらへと行けば、王になれる。そんなことが世間に広まっては困るのだ』

『はっ!』


 僕は慌てて、プリシアちゃんの両耳を塞いだ。

 プリシアちゃんは、精霊大好きっ子だ。そんな話を聞いちゃったら……


『もう、遅いな』

『ど、どうしよう……?』

『大丈夫であろう。プリシアは精霊が大好きではあるが、其方らのことも大好きだ。其方らと離れるような選択肢は取らぬだろうよ。妾たち精霊は、愛おしい者と共に永遠を過ごしたいと願う。だが、余計な客人や支配者が現れるのは困る。ひとつを語れば、多くを語らなければならぬ。よって、あまり自らのことは口にしない。其方らも、ここで聞いた話は他言無用だ』


 精霊にとって、耳長族に取り込まれることは悲しいことではないらしい。むしろ、ひとつになって永遠を共有できるのだから、望むところなのだ、とアレスさんは言う。

 でも、そんな話が広まっちゃったら、耳長族は暴走しちゃうかもしれない。安易に精霊を手にかけて、支配者になられても困る。

 耳長族の禁忌とは、精霊のことを深く知る者が作り上げた、自分たちへのいましめだった。


『うん。誰にも……。ミストラルたちも駄目かな?』

『其方があれらに隠し事などできるはずもない。それくらいは知っておる』

『あ、ありがとう。それじゃあ、家族以外には絶対に言いません!』


 僕が強く頷くと、プリシアちゃんも頷いた。

 あああっ、そうか!

 会話は頭のなかに直接響いてくるので、耳を塞いでも意味がないのか……


『それで、我はどうなる?』

『我は未だに憎い……。復讐したい』


 そして話は戻る。

 ユンさんとリンさんを、僕たちはどうしたいのか。

 僕は、アレスさんへ先ほど向けられた視線に応えるように、口を開く。


『リンさん、復讐は絶対に駄目だよ! それで。耳長族の禁忌だけど、少なくとも精霊たちは受け入れている。なら、あとはどうやって贖罪するのかと、どうすれば憎しみが消えるかだよね』

『君は、今でも未来を見ているのだな。だが、我らはこうして、もう消えかけている。リンが精霊たちに受け入れられないというのなら、ここで断罪を受け入れ、死を選ぶしかない。精霊の世界に行くわけにはいかないからな。ただ、リンをひとりでかせるのはしのびない。姉として、共に……』

『はい、そういう考えは、今後は禁止ね! 僕は強欲なんだ。だから二人とも死なせないし、精霊の世界になんて行かせないよ!』


 言って僕は、ユンさんとリンさんの手を優しく握る。プリシアちゃんも、華奢な二人よりももっと小さな手を伸ばして服のすそを掴み、離さない、と意志表示をする。

 ユンさんとリンさんは、戸惑いの表情でお互いの顔を見あった。

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