番外編記憶の断片

今回、PRCのメンバーに集まってもらったのはほかでもない……

我々が今年度の学園祭を乗っ取る計画、SST少し主張が強すぎるよ計画のためだ。

各員、慎重に行動し、準備し、実行に移せ。

今晩から作業を開始する。


「楽しみだね」

「また葵のやつが変なこと始めやがった……」

「けど、葵クンはボクらじゃ止められないよ」

「……俺がいつ止めるっつった?」

「……ふふっ、相変わらずだね」

「まぁでも、俺にできる事って正直そんな無いから、一応台本だけ考えておくわ」

「うん、じゃあ仕掛けは任せて」

「おっ、物理学者キタ━(゚∀゚)━!

……失敗は許されねぇからな」

「うん分かってるよ、葵クンのためにもね」


彼が帰った後、ボクは懐から電気工具を取り出す。


「正直、物理より科学の方が好きなんだけどなぁ……」


うちのメンバーに、僕以上に物理出来る人いないからなぁ……


「よーっす!調子どう?」

「あ、西隆寺クン!」


スレンダーで華奢に体つきをした青年が入ってくる。

かれは、陸上競技全般、そしてほとんどのスポーツで好成績を残す、生まれながらにしてスポーツの才能のある男だ。

だが、そのスポーツマンとして生まれた彼は、容姿もとっても良かった。

葵クンほどではないが、相当モテていたらしい。


「西隆寺クン、キミは今何してるの?」

「んー、俺は、紗代が言ってた実験が終わってひと段落したところだよ」

「……大丈夫だった?」


よく見ると、腕の部分が包帯で隠されていることに気が付いた。


「んー、なんか筋肉に電極さしたいからって言ってたからちょっとあげた」

「……?」

「???」

「???????」

「え、ちょっと待ってよ、西隆寺クン、え、筋肉……あげた?

(。´・ω・)ん?」


思考が止まる。

筋肉あげたって……なんだ?

やはり紗代は変人だと思っていたが、もしかしたら葵クン以上なのかもしれない。


「ま、まぁいいや……

僕はそろそろ仕掛け終わりそうだから帰るよ」

「おう!じゃあ、また文化祭で」

「うん、また明日」

「……ねぇ、西隆寺クン」

「ん、どうした?」

「……いや、なんでもない」


誰かの、古びた懐かしい記憶の断片────

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