第3話 ジャンの苦しみの始まり

父がリオンを隠していた頃に、

俺は父から生まれた。


そして同時期に聡子はミナカヌシ様が誕生させた。


それは、創造神様の計画の元、成された誕生だった。


俺と聡子は、どうやら、将来婚姻を結び夫婦にと言うものだったらしい。


だが、俺は未だに聡子にそんな気持ちを抱いた事はない。


それもそのはず。

ミナカヌシ様方々の計画は、もろの見事になくなったからだった。


その原因は、やはり、父が創ったリオンだった。


あの日、俺はどういう理由か、父の元を訪ねた。そして父が姿を現し何処かへ行くのを見たのだ。

俺は、父の後を付いていくことに。。


すると、父の世界には女の子が横たわっているのが解った。

俺はその娘を見た途端に、強烈な衝動が自分の内側を駆け巡るのがわかる。


ジャン(な、、なんだ?、、この感覚は、、、?!)


それは、自分でも解らないものだった。

そんな俺を父は、見つける。


そして、父は、事もあろうか、俺に言ったのだ。

「ジャン。 その衝動は、父と同じだからだ。お前は私そのものだ。

私達は繋がっている。

リオンを抱いてみるがいい。。。」


俺は、父が何を言っているのか解らず、それでも、彼女を見れば、より一層その衝動に駆られる。


俺は本能のまま、彼女を抱いた。


あの体感とは、全く違う自分自身の気持ちが別にあるのを確かに感じながら。。


それからの俺は本能に従うかのように、彼女に会いに行くようになる。

勿論、行為は成され、彼女はどんどんと、生気が失われていくのが解る。


その姿を見ながら、自身が止められない。。。

(こんな事、したくない!!)

そう思う気持ちは別にあり、

それと同時に別の感情も俺の内側には既にあった。


(彼女を救けたい。)そんな想いを抱えたまま、自分自身に駆け巡るあの衝動には勝てなかった。。。



そうして、彼女は、ミナカヌシ様により見つけてもらい、救われたのだ。


俺は安堵した。


それは、俺自身の彼女からの解放と、

そして彼女が父と俺から解放された事だった。


これで、終わったと考えていた。


しかし、終わりではなかったのだ。。


ここからが、ほんとの俺自身の苦しみの始まりだったのだ。。。


俺は、あの衝動とは全く違う自分自身の内側で、彼女に対する感情を認識していたのだ。


それは、紛れもない


「恋」であり、「愛」への入口だったのだ。。。

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