第3話「王子の怪しい噂」

「もちろん、あなたさえ良ければわですがね。」


もう、ミシェルを欲しがる人なんていないと思っていた。しかし、この王子は何故か婚約を迫ってくる。

これはチャンスよ!私が隣国の王妃となって幸せになってアーロン様達を見返すの!


「……その結婚、お受けしますわ!」


こうしてミシェルは隣国へと旅立って行く。道中の馬車で王子は優しくミシェルを気遣ってくれた。


「疲れてはいませんか?何か飲み物でも?」


「大丈夫ですわ。ありがとうございます。それにしてもどうして私に求婚など……」


「ふふ。それは秘密です。」


「?」


馬車は目的地へと向かってゆく。目的地にたどり着き、城の中へと誘導される。


「ここがあなたの部屋です。」


案内されたのはだだっ広い一室だった。


「ここで今日から過ごしてください。式の日程は後程お伝えいたします。」


そういうと王子は部屋から去っていった。


「お嬢様、気は抜かない方がいいですよ。」


「?ローズどう言う事?」


「ロン王子には良くない噂があるのです。」


「良くない噂?」


「はい、なんでも、気に入った女性を城に招いては口にするのもおぞましい事をしているとか……」


「あら、私も聞いた事があるわ。でも、あれはただの噂でしょ?」


「…………。」


そんな話を聞くと少しミシェルは怖くなってきた。確かに私に求婚するなんてよっぽどの変わり者だと思ったが、目的が殺害なら納得もいくように思う。ミシェルは震え始めた。


「大丈夫です。もしもの時は私がお救いします。」


「ローズありがとう。なんだか、眠いわ。」


そういえば、さっきいただいた紅茶なんだか変な味が………。そこで彼女の意識はシャットアウトされた。

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