救出と告白

『はっはっは! 彩斗、残念。友達に助けようとしてもらうから悪いんだ。お前は〇ぬ』

 配信はほぼ全校生徒が見ていた。落ちる先には応急処置の布などがあるが、効果はほとんどないだろう。僕は全速力で彩斗の元へ飛んでいく。


 ***


 数十分前、ブッコローが帰っていった。ブッコローはいじめを止められたと思っているのだろうか。俺は抑えられ、逃げられなかった。ただブッコローが階段を下りていくのを見るだけだった。

「お前の友達は所詮あんなもんだ。お前には罰を与える」

「なんですか?」

「いじめを友達に止めさせようと無駄なことをした。彩斗、お前お屋上から突き落とす」

「やめろよ」

 しかし言われるがままにするしかなかった。俺は生きてる意味なんかないんだと思った。


 一分前、俺は端に立っていた。

 〇ぬんだと実感してきた。自分はいなくても何も変わらないと思い込ませ、その後突き落とされた。

「はっはっは! 彩斗、残念。友達に助けようとしてもらうから悪いんだ。お前は〇ぬ」

 そう言われて、すべてを投げ出した。

 その時、横から猛スピードで飛んできた。ブッコローだ。ちょうど俺の下に入り込み、救出してくれた。

「ブッコロー⁉」

「彩斗、ごめん。でも助けられてよかった」

「ブッコローありがとう」

「どういたしまして」

 そのまま上に上がっていく。


 ***


 彩斗を助けられてよかった。上に上がったら奴らがびっくりしてこっちを見てきた。

「僕は彩斗を見捨ててない。お前たちはもうおしまい。警察が来るよ」

「は? おかしいって。最悪だ」

「残念でした」

 その後、奴らは警察に引き取られた。彩斗からは感謝された。助けられてよかったと心から強く思った。

「ブッコロー、ありがとう。よかった」

「友達だから当然だろ」

「すごかったよ」

「ありがとう」

 二人で言い合いをして、さらに仲良くなった。


 その日の下校中、また有隣堂に来ていた。ステイショーも一緒だし、彩斗も一緒だ。

「彩斗、ちょっと一回どっか行っててくれる?」

「告白するのか?」

「うん」

「頑張れ」

 ステイショーに近づく。

「ステイショー、ちょっと言いたいことがあるんだけど、いい?」

「うん」


「君のことが好きです。付き合ってください」

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