おべんとうおいしいなぁ……と、またまた訪問
とか言っているともう来週になっていた。
時が経つのは早いものだ。
「えっと、こっちが私の弁当だったっけ?」
多分そうだよね。
「よし、あとはみんなが来るのを待ちつつ弁当を食べればいいだけ!」
今日は食欲がなくて弁当を少ししか作ってこなかったから、早く食べ終わった。
そろそろヒカリ来るかな?
「さーきー!」
「はぁい」
ヒカリがすごい速度で走ってきた。
「弁当、作って来たし?」
「はい、これだよ」
「ありがとうだし」
ヒカリがキラキラした目で弁当箱のふたを開けた。
「すごいし!さっそく頂きますだし!」
ヒカリが口いっぱいに卵焼きをほおばったくらいに、アスカとセンパイがこっちの方に走ってきた。
「今日も少し遅れました……」
「私たちが早く来ただけだから大丈夫だよ」
「あ、そうでしたか」
アスカは今日もどっかの執事みたいな喋り方だ。
「それじゃあ行くか」
「もうすぐ弁当食べ終わるから待っててほしいし」
ヒカリが弁当をぱくぱくしている。
ていうか食べるの早くない?
「……それじゃあ行こうし」
「おう」
それから、また不登校の人の家まで行ったけど、いつも通りだった。
「……またダメだったな」
センパイは悲しいのか悲しくないのか、複雑な表情をしていた。
「じゃあまた来週――」
「あの!」
アスカが突然声を上げた。
「来週は、みんなで図書館で作戦会議をしませんか?」
「作戦会議し?」
「うん。どうしたら学校に来てくれるのか、っていう」
「……いいな、それ」
確かに、毎週何も考えずにここに来るよりは涼しい図書館で頭を回転させた方がいいかもしれない。
「じゃあ、夏休みの宿題も持ってくるし!」
「宿題も終わらせつつ作戦会議しようぜ」
「じゃあ来週の十二時、学校の近くの図書館に集合にしない?」
「わかったし!」
学校の近くには小さな図書館がある。
みんなはあんまり行かないみたいだけど、私はよく本を借りに行ってる。
「じゃあまた来週な」
「また来週だし!」
「また来週に」
「また来週」
この挨拶はいつまでたっても変わらない。
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