ぐちゃぐちゃといえば……。

ふさふさしっぽ

本文

 ここはあるアパートの一室。

 家主である工藤あかりは仕事に行っている。

 したがって部屋の中にいるのは飼い猫二匹だけ。

 いつも二匹はあかりが帰って来るまで軽くじゃれ合ったり昼寝したり、毛づくろいしたり昼寝したり、昼寝をしたりして過ごしている。猫は夜行性なので、昼はこんなもの。


 ……なはずが、今日は違った。


「マシュマロ、なんだか体がうずうずしない?」


 黒猫のココアが部屋の中をうろうろしながら言った。


「ああ、なんだかひと暴れしたい気分だぜ」


 白猫のマシュマロはそう言いながらあかりのベッドの上でごろごろ転がり、白い毛をまき散らす。


「僕もだよ、マシュマロ。なんか、めちゃくちゃ暴れて、部屋をぐちゃぐちゃにしたい気分」


「待てココア。そんなことしたらあかりに叱られる。『ちゅるる』も貰えなくなるぞ」


「分かってる。けどこの衝動が収まらないんだ。『ぐちゃぐちゃ』という言葉が頭から離れない。マシュマロだってそうでしょ? なんでベッドの上で立ち上がってんの」


「お前こそ、さっきから尻をフリフリしてるじゃないか」


「もうだめだ、我慢できない、ぐちゃぐちゃにしちゃうぞーー!」


「俺だって!」


 ココアはお尻フリフリしたあとカーテンめがけて猛ダッシュ。そのまますごい勢いでよじ登る。

 マシュマロはベッドからソファに着地。ソファで爪とぎ……したいところだったが爪を切られているのでものまねだけだ。ソファの上のクッションや、あかりが脱いだままのジャケットに盛大にスリスリし、毛だらけにしてから床に放り投げる。

 棚の上のものを倒し、ゴミ箱を倒し、二匹は大暴れ。


 ――が、それは唐突に終わった。


「777……?」


「どうしたココア」


「マシュマロ、今度は777という言葉が頭から離れないよ」


「実は俺もだ、ココア。暴れてる場合じゃない、777が俺を支配している」


「一体どうしちゃったんだろう、僕たち」


「分からん。77な

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