2024/10/9 氷山
世界的に海水の気温が下がり、あちこちで氷山を見ることができるようになっていた。
海水だけでなく、地上も下がっていたのかどうかまでは知らない。
私の住む日本にも氷山が漂って流れ着いたけれど、すごいのはここからだった。
氷山の中に海水がたっぷり入っていて、中に綺麗なクラゲがたくさんいた。
クラゲだけでなく、イルカやイカやタコ、クリオネも見られたけれど、他の生き物はほんの少しだけ。
氷山の中をゆったりと泳いでいるクラゲは幻想的でとても綺麗だった。
その氷山の水槽に潜ろうとしている人たちの輪に私も入っていた。
私は入らないけれど、中に入ろうとしている人を見守り、観察しているところだった。
小さい娘さんを連れた母親、芸能人、研究者、レポーター、ダイビングのプロ……みんな訓練を積むところから入り、その様子も見ていた。
訓練の合間、私は違うところで違うものをみていた。
私が書こうとしている物語の続きだった。
途中までしかまだ書けていない楽園のお話。その続きを夢に見ていた。
書こうとしている物語が夢に出てきて、辛い気持ちを抱えていると、どういうわけかある作品のキャラクターたちが続きを読みたいと言いながら優しく微笑みかけてくれていた。
読みたいの?
私にとってつらい内容が続きにあるから、続きを書くのに躊躇した物語。
書くために頑張ろうとしていると、あたりが霧に包まれ、どうにかして抜け出した。
抜け出すと、氷山の中身を中継しているところだった。
ああ、みんなついに潜ったんだ。
私はその様子を見守っていた。
中継で見るだけでなく、氷山のところまで行って上からも見守った。
手を氷山に入っている海水にいれてみると、冷たすぎて一気に感覚がなくなった。
みんな大丈夫なのだろうか?
心配に思っていると目が覚めた。
夢の中では寒くてたまらなかったのに、起きたら布団の中で暑いくらい体が温まっていた。
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