第4話

大須に着くとまるで人がゴミのようにたむろしていた。

結構外人も多いな、名古屋なんて何もないのに何をしにきたんだろうか。

多分京都とか行った方が有意義な日本旅行をできると思う。


「2人ともドスパラの場所は分かるかい?」


「僕は分からないよ」


「ゲーセンの方でしょ」


「ならマサさんが案内して欲しい」


「言うてこの道真っ直ぐ行くだけ」


3人で歩き始めたのだが、飲み物を買ってきておけばよかった。

朝から何にも飲んでないと喉が渇く。

ファミマあるのは神社の方だしなぁ。


「ゲーセンが見えてきたな」


「ここなんでこんな作りになってるのかい?」


「階段で上り下りしないと入らないのはめんどくさいよな」


「ドスパラ向かってるけど、何をするの?」


「そりゃ渚のパソコンを買いに」


「渚さんがうちの会社所属のVtuberで一番配信してるしね」


「えー僕そんなお金は無いよ」


「どうにかなるよ」


多分俺が出すことになるんだろうな。別良いけどさ、あんまり他の人に何か買うと赤羽に怒られるんだよな。

自分の為にもっと使えって結構言われてるしでも欲しいものとか無いんだよな。

永遠に貯金に回すことになってるし。


「ドスパラに着いたな」


「僕は初めてきたよ」


「延長コードとキャプチャーボードを先に買っても良いかい?」


「決まってるものから探しに行くか」


「その二つは何に使うのかな?」


「配信部屋に必要なものだよ。この二つは経費で落とすよ」


「渚の家ってモニターはあるのか?」


「そんな物は僕の家にないよ」


「良く配信できてたな」


「マサさん、4個のやつと6個のやつどっちが良いと思うかい?」


「4個の方で良いんじゃないかな。6個の方は流石にデカすぎ」


「キャプチャーボードは内蔵型と外付けどっちが良いかい?」


「めんどくさいし外付けで良いと思うよ」


「僕には全くわからない話だね」


「キャプチャーボードもない感じ?」


「僕の家にはないよ」


この人ゲーム配信とかどうしてたんだ?

キャプチャーボードが無いと個人的にはめんどくさいことになる気がするけど、Switchとか持ってないから使用したことないって可能性もあるな。

言うて俺もキャプチャーボードとか中々使わないしな。

配信をそもそも全然しないから。やっぱり引きこもり生活になると、全てがめんどくさくなってやりたく無くなる。


「渚さんの分のキャプチャーボードも買った方が良いかい?」


「なら一つ俺の方のカゴに入れて」


「え?まさかだけどまささんが僕の分を買おうとしてる?」


「そうだな、まぁ無いと困ると思うし」


「流石に、今日会った人に買ってもらうのは気が引けるよ」


「俺もVtuber始めた時に、先輩から丸々一式買ってもらってたから、それと同じだと思えば良いと思う」


「マサさんも最初お金なかったよね」


「パソコンだけあったけど、結局グラボとかCPUとか買ってもらった」


「なら僕も後輩出来た時に買ってあげれば良いのかな」


「無理に買わなくても良いけど。本当に配信にやる気がある人には買って良いと思う」


全然配信しない人に、買ってあげるのと配信を良くする人に買ってあげるのではやっぱり後者の方が気分が良い。

言うて俺も最近は配信をしてないが、買ってもらった当時は時間が今よりもあったので配信をしていた。そして当時はやる気もあったしな。


「先にこれ買ってくる」


「了解ならパソコンの方にいるから」


「うん分かった」


俺と渚でデスクトップPCが置いてある場所に向かう。

ガレリアってやつが結構置いてあるが、パソコンはつくってあそぼしてできるかなが楽しいので、組み立て済みを買った事がない。


「僕にはどれが良いか全く分からないよ」


「メモリは増設できるしSSDも増設出来るから、グラボとかCPU性能で選んで良いと思う」


良く考えてみたら、配信部屋のパソコンは組み立て済みを買ったんだろうか?

つくってあそぼするのにも時間がかかる気がするし流石に買っているか。

後やっぱりゲーミングなんとかって流行ってるんだな。メモリが光るのか誰得なんだろうか。


「何か良い物はあったかい?」


「どれも結構高いね」


「雅美さ、配信スペースのパソコンって組み立て済みのを買った?」


「誰も手伝ってくれないからか昨日1人で黙々と組み立ててたよ」


「呼んでくれれば一緒な組み立てたのに」


「そうかい?なら呼べば良かった」


「ならパーツだけ買って組み立てるのもありだな」


「発送はヤマトに頼めばしてくれるよ」


「僕が組み立てるの無理だと思うよ」


「俺と雅美が居るからなんとかなるよ」


「本当?」


パーツ買うにきても今から決めるのか。まぁ全部ここで買えるから良いけど、少し時間かかりそうだな。


「配信部屋と同じパーツを買うかい?」


「そうだな、それなら二手に分かれるか」


渚にカゴを取ってもらい、俺と雅美でどんどんパソコンパーツを入れていく。

メモリやSSDだけは違うのにしたが、ほぼ配信部屋のパソコンと変わらない仕様になっている。

パーツを頑張って集めて、何とかドスパラだけで全てを揃えることができた。

ケースは会社の余ってるやつを使って良いみたいなので買う必要はないみたい

グラボはメーカー違うが大丈夫だろう。

相性問題とか滅多に起きないはずだしな。


「これで全部揃ったか」


「金額が大変なことになりそうだけど、本当に良いの?」


「まぁ大丈夫だよ」


「それじゃあ買ってくる」


俺と雅美はレジに行って全ての商品の合計金額を見たのだが、正直もっといくと思っていた。

モニター入れてもこんなぐらいなんだな。

カードで支払ったので、良いのだが、持って帰るのが大変だよな。

どうせ使われてない会社の台車を持ってきておけば良かった。

とりあえず必要そうな物を経費で買って結局使わないのをうちの会社は辞めて欲しい。

それも中々捨てないし、もう完全にゴミ屋敷に住んでいる人の考え方なんだよな。


「じゃあ帰るか」


「僕の1ヶ月の給料分ぐらい使ってる?」


「君の給料がいくらかは知らないが、普通はこんな一気に買うもんじゃない気がするしな」


「そうなんだ」


俺たちは来た道を戻る感じで進んでいる。

大須にはドンキもそう言えばあったな。

今度普通に買い物行こうかな、



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