【優子】Episode1 海外赴任

海外赴任を命ぜられたのは、優一が中学を卒業して高校に入ろうとしている3月の事だった。


急な辞令に、大急ぎで準備をして中東に向かうことになった。


でも、私達は元々海外赴任の設定はしていない気がするのに不思議な気持ちでパスポートを取得して慌ただしく出発した。


結局、優一の高校の入学式には参加できなかった。


ただ、卒業式から様子がおかしく遠方のバイトを紹介してほしいと言われた。


私達も慌ただしい準備をしていたので、知人が北海道で経営していた施設に預けることにした。


優一とは、三月の頭に会ったきりでそれ以降は会わずに私たちは海外へと出発した。


「ねえ、はじめさん。なんだか、腑に落ちないことがあるんだけど」


「ああ、俺もだ。ちょっと、呉と藍にいろいろサポートを頼んでおこう」


「そうね」


私達は、呉治くんと藍ちゃんに優一の事と私達の辞令の事について調べてもらう様に頼んでおくことにした。


この時の行動が、後に起こることを未然に防ぐことができたのは幸いだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る