【春】Episode2 ランチ会(前)
慰安旅行から帰ってきて数日が経っていた。
年の瀬が迫ろうとしているそんな日のお昼時。
私は、藍ちゃんにお呼ばれしてランチバイキングに来ていた。
藍ちゃんは、黒い長い黒髪を後ろ手にリボンで結んでるシュッとしたキャリアウーマンのような容姿をしている。
今だって、タイトスカートにダッフルコートを着ている。
「春ちゃん、ごめんね。急に呼びだして」
「大丈夫だよ、冬華も優ちゃんとこ行っちゃって私予定なかったから」
「あら、冬華ちゃん。元鞘に戻ったのね。よかった」
「ふふ、藍ちゃんもありがとうね。ずっと、陰ながら二人のこと見ててくれたんでしょ?」
藍ちゃんは、驚いた顔をしていた。
私が何で知ってるかってことかな?
「春休みに優ちゃんを北海道にバイトに行かせたのは優子ちゃんじゃなくて藍ちゃんでしょ?」
「うん・・・ねえ、春ちゃん寒いからランチしながらにしない?」
私達は、店先で話し込んでいた。
たしかに、寒い。
外は、雪がチラついてきていた。
「そうね、そうしましょう」
そういって、私達はお店の中に入って席に案内される。
その後、お互いに料理をお皿に載せて戻ってきた。
「じゃあ、藍ちゃん詳しく教えてもらえるかな?」
「うーん、どこから話したらいいのかな」
「最初は、どこから?」
「たぶん、10年前と16年前かな」
「一つは濱出 巧くんのこと?」
「そう、忘れられたその子のこと」
もう一つは、よくわからない。
なんだろう。
「もう一つは・・・」
そのあと、私達はいろんな話をしていくことになる。
ランチタイムのバイキングの時間いっぱいに。
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次回、優子編を挟みます
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