【夏生】Episode4 興信所

僕は、スマホを操作してあるところに連絡を取る。


「早海さん、お久し振りです」


「どうも、藤ヶ崎さん」


「実は、少し調べてもらいたいことがあるんですが」


「ええ、藤ヶ崎さんの頼みでしたらお受けましょう」


彼は、早海 呉治くれはる


早海はやみ探偵事務所の所長で、古くからの親友の一人だ。


出会ったのは、高校時代か。


今の冬華達と同じ年だったな。


「早海さん、駿を覚えてますか?」


「駿?ああ、濱出 駿ですか」


「はい、その駿です」


「なるほど・・・実は私の方でもその案件を抱えている所で」


「そうなんですか!」


早海探偵事務所は、不倫や離婚問題などを多く扱っている。


春が、そこで働いていた時期もある。


「私の所に、彼の弟であった徹くんの案件も来ていて」


「え、徹くんのですか!」


「ああ、そうでしたね。彼は、藤ヶ崎さんのお嬢さんと」


流石、早海さん。


なかなか交友関係を網羅しているようだ。


「藤ヶ崎さんは、駿のどのようなことを調べましょうか?」


「東都市立病院での彼の様子と周辺を調べてもらいたいんです」


「なるほど、例の立ち入りの件ですね。

分かりました、こちらでも動いてみます。

おっと、後日木倉さんと一緒にご飯でも行きましょう」


「そうですね、お願いします」


僕は、そう言って通話を切った。


そして、そのまま義父に連絡を入れることに。


「お義父さん、少しいいですか?」


「もちろんだとも、夏生くん」


「今調べを入れている所なんですが、濱出 駿に注意しておいてもらえますか?」


「わかった・・・調べということは彼の所かな。

こちらでも渡りをつけておこう」


「ありがとうございます」


そう僕が言うと通話が切れた。


その後、部屋に戻り作業を再開した。



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これでキーマンの全員が登場しました。


長かった。


真相に至るためのピースが揃いました。


次回、夏生編クライマックス

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