【夏生】Episode3 科捜研

翌日。


僕は、科捜研に出勤した。


1年振りに帰って来た。


そこには、白衣の男性が2人いた。


「藤ヶ崎先輩、お帰りなさい」


「お、夏生お帰り」


「みなさん、ただいま帰りました」


法医分野の後輩 洞島 壮真と文書分野 鈴木 瑛太の二人である。


科捜研は、法医分野、科学分野、文書部門、物理学部門の四部門があり、ここにはそれぞれの分野に2人ずついる。


「先輩が帰ってきてくれて助かりました。

あの案件は、僕だけだと手一杯です」


「夏生がいないとこれは手に追えんな」


「僕なんて早々役に立ちませんよ、資料見せてもらえますか?」


壮真に連れられ押収した資料を確認する。


そして、その中で気になる名前を発見した。


「濱出 駿」と言う名前を。


「壮真くん、ちょっといいかな?」


「はい、どうしました?」


「この濱出 駿って」


「ああ、東都市立病院の精神科医ですね」


東都市立病院の精神科医か。


10年前の巧くんの葬式の時、彼が行ったこと。


今回のことに関係があるかもしれない。


そこから、糸口を見つけよう。


駿が何かしているというなら、彼の身辺も調査する必要がある。


「なるほど、なんとなく見えてきた」


「本当ですか!さすが、藤ヶ崎先輩」


「いくつか連絡を取ってきますね」


「はい」


僕は、そう言って席を立ちある場所に連絡を取るために休憩室へと向かった。

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