【駿】Episode7 逮捕

「濱出 駿!令状だ」


俺の診察室に、男が入ってきた。


その後ろには、藤ヶ崎 夏生がいた。


男は、スーツ姿でボサボサ髪に無精ひげ。


手には、令状と警察手帳が見せられていた。


「罪状はなんでしょうか?」


「軽い罪状なら強制わいせつ、強制性交等罪、売春防止法違反、児童福祉法違反、青少年育成条例違反だな」


そう刑事は言う。


ち、足が付いたのか。


「医療行為と称して、なかなかあくどいことをしていたらしいな」


「航大さん、そこからは僕が言おうか?」


そう言って、藤ヶ崎 夏生が前に出てきた。


こいつと会うのも10数年振りか。


確か、巧の葬式のときか。


「巧君の葬儀以来だね、駿」


「ええ、藤ヶ崎先輩」


「集団催眠に、強姦・・・それと徹くんに催眠を教えたのは君だね。

娘にあんなことをさせた」


ち、徹のやつ何かやらかしていたのか。


死んでまで俺の邪魔をするのか。


藤ヶ崎の娘だと?


確か、徹の幼馴染みだったな。


「まあ、そう言うわけで来てもらうぞ。濱出 駿」


俺の手首には、鉄の塊が取り付けられた。


こうして、俺は逮捕された。


徹が死んだ所為だ。


あいつなんていなければよかった。



駿編 fin

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