第46話 許嫁と歩む日常の為に

あの日から僕らの日常は大きくは変わらなかった。

僕は、今までだってずっとそばにいて失った時間よりも濃い時間を過ごしてきた。

あれから、両親の勧めで施設での手伝いや協会での手伝いなどが始まった。

冬華は、栄養士の勉強も始めた。

勉強が苦手な冬華だったが今では随分と成績は良くなってきている。

父さんたちが帰ってきて1年が経った。

バイト代は去年から使わずに取ってある。

実は、指輪の代金は去年の内に貯まっているし、先日注文してある。

いまは、結婚式の資金と新居用に貯金をしていたりする。

先日、介護職員初任者研修の資格は取得した。

バイトをしながらスクールにも通わせてくれたのだ。

130時間のカリキュラムも放課後を使い何とかクリアした。

もしかすると、高校卒業までに実務者研修の取得もできるかもしれない。

親のコネとか七光りと呼ばれないように努力はしなくては。

7月・・・もうすぐ冬華の誕生日だ。

僕は、そろそろ決行しようと思う。

といっても、プロポーズすら終わっているのであとは指輪を渡すだけなんだけどね。

はぁ、緊張する。

断られることはないのは分かってるけど緊張するのは緊張するんだ。

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