第40話 幼馴染みとネコカフェ

街まで来たのは久し振りだ。

最近は、商店街やイオンばかり行っていたから。

あまり、街に用事ってないんだよな。

映画館もイオンで見れるし。

「冬華は・・・あ、うん」

「なにかなぁ?優一」

「街久し振りだけど、冬華は?って聞こうと思ったけど。

よく考えたらほとんど一緒にいるのに来てるはずないと思って」

「そうだけど、そうなんだけどね。

前に優一と来てからは来てないと思うよ。

だから、2年ぶりくらいだと思うよ」

街は、昔は栄えていたけど今では過疎っている。

飲み屋街とビジネス街になっている。

だから、別段街にいくということがない。

「それより、早く行こうよ」

「そうだね、えっと・・・こっちか」

僕は、スマホのナビを使っている。

始めていくとこだからナビがないと行けそうにない。

結構路地裏にあるみたいだ。

やがて、趣がある一軒家のようなお店が見えてきた。

周りは、オフィス街だからすごく静かなところにある。

「ここ、みたいだな」

「はやくはやく」

冬華がぐいぐい僕を引っ張っていく。

そして、僕らはお店へと入っていく。

入り口でアルコール消毒を済ませる。

ワンドリンク制らしいのでアイスティーを二つ頼んだ。

抱きかかえたりとかはできないらしい。

僕らは、奥の席へと腰を下ろす。

それと共に、ネコが集まって来る。

「挨拶に来てくれたみたいだね」

「うん、可愛い」

冬華は、喉を撫でていた。

僕の足にすりすりと近づいてきた子がいた。

僕も喉を撫でてあげる。

気持ちよさそうな表情になり、やがて僕の胡坐を掻いた足の上に乗って来た。

「優一、ずるい」

「いやいや、僕に言われても」

「う~、そうだけど」

「あっ」と小さな声が聞こえると冬華の膝の上に猫が乗っていた。

「よかったね」

「うん!」

それから1時間ほどを過ごして僕らはお店を後にした。

人懐っこい子達ばかりだったから、なかなか楽しめた気がする。

「ねえねえ、ネコ飼おうよ」

「う~ん、将来ね」

「うん、はじめさんも優子さんもネコって大丈夫だよね?」

「だいじょうぶだよ、アレルギーとかもないし二人とも好きだから」

「春さんと夏生さんは?」

「うちも大丈夫だよ」

冬華が、喜ぶと思って連れてきたけどまずかったかな。

僕らは、そのあと昼ご飯を食べて家に帰ることにした。

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