第25話 幼馴染みとお泊り

僕らは、純恋ちゃんに事情を一通り聞いた。

純恋ちゃんは一人で北海道からこの街に帰って来たらしい。

母親の不倫が原因で、両親が離婚。

父親に引き取られて、今まで生活していた。

高校進学と共に、この街に戻って来たそうだ。

数日前から、引っ越してきていたけど今日急に父親から会わせたい人がいるといって女性を紹介されたという。

女性は、北海道からついてきたらしい。

純恋ちゃんは、どうしていいかわからず僕らを訪ねてきた。

最初に、ずっと手紙を寄こしていた徹のとこにいったそうだが、徹の家族はこの街にはいない。

あの家は、廃墟然としてるから。

それで、次に僕らの家に来たというわけだ。

「純恋ちゃん、そういうことならうちに泊まる?」

「いいの、冬華ちゃん」

「ちょっと、ママに聞いてくるね」

冬華は、そういって自宅へと戻っていった。

僕は、夜食の準備を始めた。

話を聞いてると、純恋ちゃんが何も食べてないように感じたから。

「優兄ちゃん、何してるの?」

「お腹空いたから夜食作ってる。食べる?」

「いいの、食べる」

純恋ちゃんは、思いつめた表情からだいぶ落ち着いていた。

やがて、玄関が相手冬華が入って来る。

「ママ、オッケーだって。でも、明日からならだから私とこっちに泊まろっか」

「ありがとう、冬華お姉ちゃん」

「うん・・・ふふ、やっぱり優一はご飯作ってたね」

冬華は、僕が夜食を作るのが分かっていたみたいだ。

「優一ったら、話の途中から気にしてたもん」

「あはは、バレてたかぁ。さすが冬華」

僕は三人分の夜食を作る。

その間は、冬華が純恋ちゃんと話をしていた。

それにしても、徹が純恋ちゃんに手紙をね。

でも、嫌われていたイメージがあるんだけど。

よくわからないものだなぁ。


僕らを夜食を食べ終わると冬華と純恋ちゃんは寝る準備を始めていた。

僕は、洗い物も終わりリビングでテレビを見ながらゆっくりしている。

最近、冬華はよく泊まるから一応部屋も用意してある。

今日は、その部屋に二人で寝るらしい。

僕としては寂しいけど今日はさすがに仕方がない。

僕の頭を、小さな手が撫でる。

「どうしたの?優一」

「う~ん・・・その寂しいだけだよ」

「すっかり甘えん坊になったね、かわいい」

冬華が、優しい笑みを浮かべた。

彼女は、ピンクを基調としたチェックのパジャマを着ていた。

「優兄ちゃんと冬華お姉ちゃん、仲よすぎだよ。

わたし、お邪魔みたいで行き場がないんだけど」

冬華とお揃いのパジャマを着ていた。

ボタンは閉めれなかったらしく下にはTシャツ来ていた。

悪戯な笑みを浮かべる純恋ちゃん。

あ~、これ冬華寝かせてもらえないパターンじゃないかな。

僕は、心の中で冬華に頑張れと願っておこう。

その夜、冬華の部屋から話し声が絶えることはなかった。





さて、一応補足

徹が二人を虐めた理由は純恋が自分ではなく

優一に行為を向けていたからでした。

この答えは、もう出てくることはないので。

後書きで失礼しました。

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