第24話 幼馴染みをまた拾った

僕らは、夕飯を外食で済ませ20時すぎに僕らはやっと帰って来た。

「じゃあ、わたし優一ももうちょっと一緒にいるね」

「はいはい、そのまま泊りでもいいわよ」

そう送り出され、冬華は僕についてくる。

彼女は、僕の左腕に腕を絡ませてくる。

「えへへ、お泊りでもいいって。

ずっと一緒だね」

「そうだね」

僕は、相槌を打つ。

冬華は、優しい笑みを浮かべていた。

やがて、僕の家の玄関が見えてくる。

「え!」

僕は、玄関先に何かがいるのが見えた。

何かが、いや誰かが蹲っている。

「冬華、ごめん。少し下がって」

「う、うん」

冬華を僕の背後に下がらせた。

そして、僕は進んでいく。

「あれ?」

僕は、そこに蹲っている人物に見覚えがあった。

古野 純恋・・・そう去年北海道であったもう一人の幼馴染みだ。

僕は、冬華の方に向く。

「冬華、大丈夫だよ」

「えっと、誰なの?」

「純恋ちゃんだよ」

冬華は、驚いていたがすぐに純恋ちゃんに駆け寄っていく。

純恋ちゃんは、見た目は冬華と真逆である。

彼女は、茶髪でサイドテール、大きな胸が特徴だ。

「純恋ちゃん、純恋ちゃん」

と声をかける冬華。

純恋ちゃんは、玄関先で寝ていたようだ。

それは、まるでイブの時の冬華の様に。

「う~ん、あれ。わたし、寝てた」

「起きたみたいだね」

純恋ちゃんは、目を擦って立ち上がると辺りを見回した。

そして、僕らの姿を見つける。

「優兄ちゃん!」

「私もいるよ、純恋ちゃん」

一瞬、純恋ちゃんの思考が停まるが、ぱあっと明るくなる。

「もしかして、冬華お姉ちゃん?」

「そうだよ、久し振り」

冬華は、純恋ちゃんに抱き着いていた。

身長は、同じくらいなのか。

「それで、どうして純恋ちゃんがここにいるの?」

「えっと、話せば長くなるんだけど」

「じゃあ、中で話そう」

冬華は、そういって玄関を開けた。

今晩は、長くなりそうな気がする。

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