第9話 幼馴染みと噂

「そういえば・・・クリスマスずっと優ちゃんといたんだね。わたし」

「言われてみると確かに」

冬華を拾ったのがクリスマスイブだったからなぁ。

もうすぐ年末か。

「よくわからない、クリスマスだったな」

そう僕は呟いていた。

「優ちゃんは、イブなにしてたの?」

「僕?男子会・・・」

あ~、めっちゃ気分が陰鬱になるな。

クリスマス・・・嫌いすぎる。

あと、バレンタイン・・・この辺はボッチにはつらい。

「優ちゃん何か隠してる」

「え、別になにも・・・」

「優ちゃん、すぐに顔に出るからわかるよ」

「はぁ、仕方ないか。

僕、知ってたんだよ。徹の事」

「えっ」

僕はあの男子会の日の事を思い出す。


クリスマスイブのあの日。

僕らは、男4人でカラオケにきていた。

高校生になってできた友達だ。

クラスメイトで、入学式で意気投合して友達になった。

そんな彼らとパーティーメニューに舌鼓を打っていた時だった。

「そういえば、西高のクズ・・・濱出 徹知ってるか?」

「徹・・・クズ?」

ああ、まああいつはクズだよな。

だから、もう関わらないようにしていた。

あの最低なクズ野郎。

「おい、優一。顔怖えよ。

おまえもなんかされた口なのか」

「ああ、元幼馴染み・・・もう顔すら見たくない」

「お前も大変だな」

「それで?」

「ああ、なんかな女を取っ換え引っ換えしてるらしいは?」

「はぁ?!嘘だろ。待ってくれ、あいつは冬華と付き合ってたはず」

僕は、そこまでいって口を摘むんだ。

「冬華?・・・って5組のか」

「あ~、それはあとで話すわ。それよりも聞かせてくれ」

三人は、顔を見合わせる。

僕が、必死だったからだろうか。

そのあと、みんなが教えてくれた。

徹には、10人ぐらいの女性と付き合いがあるって。

それは、高校に入学してすぐのころから続いていたらしい。

僕は、どこかで冬華のことは大切にしてくれていると思っていた。

あの日、僕はカラオケから飛び出していた。

でも、途中で雨が降って。

少し落ち着いて自宅に帰って来たんだった。

あの日、冬華を見た時、ああ本当だったんだと思った。

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