第2話 風邪をひく幼馴染み
翌朝、僕はソファーで目覚める。
「なんで、ソファー・・・ああ、そういえば」
僕は、昨晩のことを思い出した。
急いで自室に行く。
ベッドの上には、いまだ眠り続ける冬華がいた。
頬が赤い。
僕は、おでこに手を当てる。
だいぶ熱い。
冬の雨に当たりすぎたんだろうな。
僕は、風邪薬と水を用意する。
「・・・あ、目覚ましてないのに。どうやって」
僕の脳裏に、口移しという考えがよぎった。
でも、これも緊急だ。
仕方ないよな。
僕は、薬と水を口に含むと冬華の唇に唇を重ね薬を飲ませた。
ゴクッと嚥下する音が聞こえ、僕は安堵した。
「あ~、おばさんにも言っとかないと」
僕は急いで隣家へ行く。
呼び鈴を鳴らすが誰も出てこない。
あれ?いない?
あ!そうだ。町内会の慰安旅行・・・クリスマスイブから3日間。
忘れてた。だから、冬華はうちに来たのか。
あんなに疎遠にして、めちゃめちゃ避けてた僕のとこに。
昨日、何かがあったんだろうな。
あれから少し時間が経った。
夕方になっていた。
流石に買い物とかも行けそうにないから冷蔵庫の中にある余り物で適当に料理をした。
冷凍庫に入れてあった冷凍の生姜入りの肉団子と適当な野菜と白滝なんかを鍋にいれて適当に味付けした適当料理だ。
食べれればなんでもいい。
胃に入れば同じだし。
「そろそろ、タオル替えに行くか」
僕は、氷嚢を作り水を風呂桶に入れ自室へ向かう。
ん?寝息がしないな。
僕は、冬華の顔を除く。
微睡んでいるようだが細く目が開いていた。
「起きたのか・・・ちょっと待ってろよ。
枕変えるぞ、あとタオルも変えるから」
僕は、氷嚢を新しいものに変えて頭にあるタオルを風呂桶の水に浸して、絞る。
それを冬華のおでこに置く。
「優ちゃん・・・ありがとう」
「はぁ、気にするな。とりあえず、ゆっくりしてろ」
冬華は、泣いていた。
でも、僕にはそれを聞く資格はない。
おばさんたちが帰ってきたらもうかかわることはないだろうし。
どうせ、徹がなにかしたんだろ。
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