津軽と南部
判家悠久
第1話
チャグチャグ馬コは、岩手県滝沢市から盛岡市に渡る華やかな乗馬の行列で、よく晴れた6月の第2土曜日に実施される祭りです。馬には、日本のお祭りでも最高峰のこれでもかと飾りがつけられ、それに鈴もつけられチャグチャグと鳴ると。お祭りの名前の由来はここから来ているようです。
ただ……何故か私達の昭和世代は、ぐちゃぐちゃ馬こと覚えてしまっている。
ここで地域の大切なお祭りを何故ディスるも、津軽と南部の長い亀裂が有ります。
津軽は青森県西部地方を指し、広域では北部も編入される。ここの経緯は昭和に青森市に全ての流通拠点があることから、下北の大手企業も南下して青森市で活動しています。
南部は江戸時代の南部氏の所領八戸界隈に、岩手県中部北部も巻き込んで、相当なスケールになる。八戸は水産の市場に工場も有り、盛岡も新幹線を中心として一大商業圏をなしている。
ここに歴史的背景、南部氏の所領で津軽為信が蜂起し津軽中心を切り取り、関ヶ原の勲功で弘前藩と安堵されたことから、切り取っておいて何をの、今にやや続く軋轢を生む。
そんな昔の事も、津軽に南部も大きな所領を持つ事で、自然と対立、いや意地の張り合いで、だから津軽は、だから南部はの言い合いになる。
ここはもう文化と言えるかどうか分からないが、大人になる程ディスるの止む無しになっている。青森関連では、続くのが津軽と南部のこれが違うとか、最近では異世界でじょっぱる話が南部の作者によって書かれて、ディスるのは成り行きの面も有る。
ただメディア的には、公に津軽と南部がの差異感を一々取り上げない。辛うじて昭和の高齢者でディスが左右していているのみで、新時代への取り組みが始まってる感はある。もう津軽も南部も共にディスる文化はなくなりつつある。と思いたい。
ただ昭和期の青森は、津軽も南部も共にライバルであり、共にディスっては自らを奮起させていた。いや、何処か卑屈さがあってかもしれない。新幹線延伸は岩手、平成になって八戸と、何れも南部で止まっていて、何の仕打ちかと津軽は憤る。もっともここは政治家の立ち位置次第であるのだけど。辣腕の政治家を輩出する機構が、当時の津軽にはなかった。
そのディスる中では、お祭りも含まれる。青森はねぶたを始めとする、巨大造形物で圧倒するものに対し、南部は情緒を重んじる祭りが多いので、勝った負けたが浮かび上がる。
そこに「ぐちゃぐちゃ馬こ、だば、わいは」と大人が言うものだから、子供もずっとそれで覚えており、私も最近まで、チャグチャグ、ぐちゃぐちゃ、どっちかと行ったり来たりです。
ディスるのは、当事者に聞こえなければ構わない雰囲気は成り行きとしてはある。それがネットにも波及してビジネスモデルとして筆頭に上がる昨今もどうかと思うが、身バレしなけれokも、何処かの時点でマナー度は上がると希望は持ちたい。
とは言え、いたずら動画問題が新たに浮上しているので、どんな時代になっても、日本人の根幹ってそんなものだろうの宿業は覚えざるを得ない。
そしてチャグチャグ馬コって、どうだったかなと改めて動画を見ると、これは結構壮観だなと覚えます。チャグチャグと鈴の音を鳴らしながら、岩手県滝沢市から盛岡市の約15キロメートルの距離を4時間掛けて馬行列するなんて、いやお供したい限りです。
昭和の頃では、モータリゼーション全盛で何を馬をでしたが。長く続くお祭りとは、馬も搭乗する子供も、どうしてもの愛でる文化が有り、自ずと長く続くのかなと感じて止みません。
短いニューススポットしかなかった過去ですが。動画で自由にニュースを見れる時代は、ぐちゃぐちゃ通り越して、取捨選択出来るいい時代と思います。
津軽と南部 判家悠久 @hanke-yuukyu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます