第62話 竜の季節2023

 人は大きくて強いものに憧れる。

 たとえば、恐竜とか――。


 近況ノートに書きましたが、大阪市立自然史博物館で開催中の『恐竜博2023』へ行ってきました。いくら展覧会好きとはいえ、これはわたしの趣味ではなく、息子案件です。


 昆虫とマイクラとスマブラにしか興味がなかった息子ですが、五年生にして少し興味の幅が広がってきたみたいです。いいよ〜、いろんなことに興味を持ってね。


 さて、さして恐竜には興味のないわたしですが、子どもの頃はそれなりに恐竜が好きだったと思うんですよ。


『いまは失われてしまった高度な文明』

『私たち以前に地球を支配していた存在』


というモチーフは、子どもたちを強く惹きつけるものらしく、SF小説やアニメ、映画の中で繰り返し繰り返し描かれてきました。わたしも大好き、こういうの。


 恐竜が魅力的なのは、想像力で描かれたSFと違って、実際に化石が古い地層の中から掘り出されているってこと。『恐竜博2023』でも本物のティラノサウルスの全身化石が展示されていて、そりゃあ、圧巻でした。


 ティラノサウルスが生きていたのは、6500万年前。全長15メートル……ライオンやゾウなんて目じゃない大きさ。現代ではちょっと考えられないくらい巨大な爬虫類です。そんなのが地上をのし歩いていたなんて、わくわくします。





 アーサー・コナン・ドイル『失われた世界』


 名探偵シャーロック・ホームズで有名なコナン・ドイルの小説。南米アマゾンの奥地に過去に滅び去ったはずの太古の世界が残っている。この「失われた世界」を探検するチームの冒険を描くSF冒険小説。


 現代の科学知識からするとまったくでたらめなトンデモSFですが、書かれたのが100年以上前なので仕方がない。滅んだはずの文明がなんらかの理由で現代に残っている――という設定は魅力的で、この小説をリスペクトした作品は非常に多い。



 マイケル・クライトン『ジュラシック・パーク』


 遺伝子工学によって現代に甦った恐竜のテーマパーク『ジュラシック・パーク』で起こった惨劇を描くSFパニックサスペンス。スティーブン・スピルバーグによる映画版が有名。この映画の中で、CGにより描かれた恐竜たちは、それまでのわたしたちが持っていた恐竜のイメージを一新するインパクトを持っていた。控えめにいって傑作。



 ロバート・J・ソウヤー『さよならダイノサウルス』


 タイムマシンで6500万年前、白亜紀末期へタイムスリップするというタイムトラベルSF。白亜紀の地球で出会った恐竜から、なんと話しかけられるというあり得ない状況から怒涛の展開。恐竜絶滅の理由と驚きしかない結末。エンタメ中のエンタメ小説。


 ソウヤーの小説は、いまは手に入らないのかな? わたしが読んだ中では、この本と『ターミナル・エクスペリメント』が傑作なのだが(恐竜は出てこないけれど)。



 以上、恐竜博とあわしのおすすめ恐竜小説でした。なんのこっちゃ。

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