第56話 芸術とおもちゃ
兵庫県立歴史博物館で開催中の『海洋堂と博物館―フィギュア・ジオラマ・日本文化―』を観てきました。展覧会好きのわたし、今回は家族も連れて行きました。
海洋堂――知ってるでしょうか。
今年設立58年を迎える弊社は、国内フィギュア制作のパイオニアにして最大手であり、近年のホビー(フィギュア)業界の方向性を激変させた造形集団です。(海洋堂ホームページより抜粋)
ちょっと分かりにくいですが、乱暴に言ってしまうと人形(フィギュア)を作っているメーカーです。アニメのキャラクターやロボットが主な商品なのですが、それだけじゃないのが海洋堂のおもしろいところです。
この展覧会ではたくさんのフィギュアが、海洋堂の歴史をなぞる形で展示されており、興味深かったです。80年代のキットなど懐かし〜と思ってみました。もっとゆっくり観たかったな(でも、奥さんと息子がどんどん先へ行ってしまう……)。
近況ノートに小さく画像を上げておきますが、
https://kakuyomu.jp/users/gigan_280614/news/16817330660826430557
すさまじいクオリティでした。
特に感心したのが、画像にあげた「ボックスジオラマ」と「空也上人立像」です。
画像のボックスジオラマは、カンブリア紀の海をイメージした水族館の水槽ですね。水槽の手前に水槽のなかを眺めているようにフィギュアが配置されているのがわかりますかね。
このジオラマを観る人は、空想上の水族館を観覧している空想上のキャラクター越しに作品を観ている――という入れ子構造がとてもおもしろいと感じました。
空也は、平安時代の僧。「南無阿弥陀仏」と唱える信仰を市井の庶民に説いた人として有名です。
このフィギュアの元ネタは六波羅蜜寺に伝わる「空也上人立像」で、口から並んで出てくるのは小さな仏様です。それぞれ「南・無・阿・弥・陀・仏」の六文字を表しているらしい。すばらしい出来栄えです。フィギュアなのに尊く感じます。
3Dフィギュアの造形師さんというか、原型師さんというか、神がかった技術だと思います。あー尊い、と感じた日曜日でした。
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