第50話 感想文の書き方

 先日、本屋さんに行くと、読書感想文の課題図書が平積みになっていました。「青少年読書感想文全国コンクール」っていうんですね。はじめて、まじまじと見ました。子どもの頃、読書感想文が嫌いでね。


「原稿用紙に三行書けばいいですか」


 って、ろくに書いた記憶がありません。




 読書感想文といえば、もうすぐやってくる夏休みの宿題の定番ですが、「読書感想文に必要なものは感想ではない」という東洋経済オンラインの記事を読んだので紹介しておきます。


https://news.yahoo.co.jp/articles/83a7198fa5a5c061d121bc4700fde4e8e2f1ce98


 記事を読んでもらうとわかるのですが、読書感想文というのは、本を読んだ感想を書くものではないらしい。もちろん、本の内容を要約したところで意味はない。


 書くべきことは、その本を読んで変わった自分のことだそうです。この本を読むまでの自分はああだったのだけれど、この本を読んでどういう気づきがあり、こう変わることができました――っていう構成で書くとよい。


 また、学校の課題として出される感想文は、教育の一環なので本によって健全な影響を受けたという感想文を先生は喜ぶため、健全でポジティブな方向への変化があったと書くのがコツ、ということらしい。


 なるほど、目からウロコの感想文論でした。言われてみればそのとおり。カクヨムでいうと、レビューを書くときに役に立ちそう――と思ってメモしていました。


 じつは、子どもの頃、実行できはしないものの、ぼんやりとこの「感想文の書き方」はわかっていたような気がします。ただ、わたしは先生の期待するような、素直な感想を屈託なく書けるタイプの子どもではなかったのです。


 学校嫌い! 勉強嫌い! 大人のいいなり大嫌い! 学校教育に不信感を持ってる子は感想文のコツを教えてもらったところで、ぜったいによい感想文(大人がよいと考える感想文)は書けなかったでしょう。


 人生の折り返しを過ぎた今だからこそ、「なるほど」と思えますが……、大人が感想文書いたところで世間は評価してくれないんですよね〜。

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