第47話 創作むかしばなし②

 なんだかマラソンのゴールが見えてきたような気がします。え、なんのことかって? 「カクヨム短歌・俳句コンテスト」ですよ。7/10までですから。あと5日。


 毎日、一首をノルマに短歌を作り続けているんです。


 もちろん、コンテストとしては、そんなこと全く求められていないのですが、個人的な目標にしてしまったので、なんとか達成したいと思います。


 マラソンってったって、31文字一作品ですから777文字以上書かなければならなかったKACよりラクチンです。なんとかなります、きっと。



 さて、前回は中学三年のときにゲームブックと出会ったことまで書きました。その続きです――。


 受験前にゲームブックと出会ってしまった若き日の藤光でしたが、無事、高校には合格しました。春からは高校生です。


 高校へは自転車で通います。わが家は市街地を挟んで高校とは反対側にあったため、登下校の途中に街を通過することになります。わたしの実家は田んぼに囲まれた田舎にあるため、街で買い物をするのが楽しみでした。買い物? 服や食べ物、映画、音楽に興味はなかったわたしが買うモノといえば、本でした。


 実家の近所違って、街には何軒も本屋さんがあったのです。わたしは毎日のように本屋さんに入り浸るようなりました。


 前回書いたように、当時はゲームブックがブームだったのですが、それと並んで、いやそれ以上のムーブメントとなっていたのが、ファミコンゲームの攻略本の大ブームでした。


 1983年に発売されてファミコン。初期のゲームは単純で「子どものおもちゃ」だったのですが、年を経るごとに内容が複雑化し、反射神経だけでクリアできなくなってきたのです。クリアのためには「裏技」とか「隠しコマンド」が必要になってくると、ゲーム初心者には歯が立たなくなってきたのです。


 そこでそうした「対ゲーム能力」が低い人向けに、ゲームをクリアするノウハウを解説した本が現れたのです。それがゲーム攻略本で、ファミコンゲームの普及と複雑化に歩調を合わせるようにして大ブームとなりました。


 ――攻略本かあ。おれには縁がないよな。


 当時のファミコンブームは、ファミコン本体がおもちゃ屋さんからなくなるという事態を招き、わたしはファミコンを買ってもらえなかったんです。持っていないから関係がない。でも、遊んでみたい。


 で、ファミコンの代わりに買ってもらったのが、MSXパソコンです。いまだ忘れもしないサンヨーのPHC30Nという真っ赤なMSXでした。データレコーダー内蔵のいけてるやつでした。


 MSX(エム・エス・エックス)とは、パソコンの共通規格の名称である。


1983年に最初の規格であるMSX(通称「MSX1」)が米マイクロソフトとアスキー(後のアスキー・メディアワークス)によって8ビットの規格として提唱された。(Wikipediaより抜粋)


 MSXのゲームについて書くと、創作の話じゃなくてゲームの話になってしまうので、ここには書きませんが、80年代中頃から終わり頃にかけて一世を風靡したでした。


 高校からの帰り道、例によって本屋さんに立ち寄ったわたしが雑誌コーナーで見つけたある本(雑誌)にわたしの目が吸い寄せられました。表紙に「釣竿をもつカワセミ」というシュールかつポップなCGが大きく描かれたその雑誌によって、わたしはオタクの道に足を踏み入れてゆきます。


 雑誌の名は「MSX magazine」とありました。


(つづく)

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