第36話 スーパーマリオブラザーズ・ムービー
家族といっしょに、映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を観てきました。ネットニュースでみると、『アナと雪の女王2』とアニメの歴代興行成績トップを争うほど大ヒットしているとか。そんなにヒットしているのなら、観ておかないといけないんじゃないか、と出かけたわけです。
観た感想は「たしかに面白いけれど、歴代1位を争うほど面白いかというと……?」。
わたしは「スーパーマリオブラザーズ」をファミコンで遊んでいません。当時、ファミコンを持っていなかったわたしは、ゲーム機本体はMSX派で、ジャンルならRPG派。以降「スーパーマリオ」には触れることもない。そんなわたしが感じた映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の感想だと思って読んでください。
この映画、すばらしい点が一つあって。それは、これまでニンテンドーが大切に培ってきた「スーパーマリオブラザーズ」の世界観とそのキャラクターがそのまんま映画になっていることです。こういう言い方が適切か分かりませんが「本物」のスーパーマリオブラザーズのキャラクターが活躍する映画だと感じました。
原作つきの映画って、原作とはどこか雰囲気のちがうものに仕上がって賛否両論巻き起こすってあるじゃないですか。しかも、日本じゃなくて、これはアメリカで作られてますからね。過去にどれだけたくさんの日本のコンテンツがアメリカで映画化され、「これじゃないんだよ」と堕ちていったことか……そのことを考えれば、今回の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は特上の大成功といっていいでしょう。
ただ、ストーリーに関しては、可もなく不可もなし、ごく平凡な「行きて帰りし物語」です。安定感はありますが、新鮮味はまったくない。こういう例えが許されるなら「水戸黄門」や「遠山の金さん」のように、安心感とつまらなさを同時に抱えた作品だと思います。
でも、時代はこういうコンテンツを求めているのかもしれない。Web小説でもありがちなキャラクター設定(読者を裏切らない安心感のあるキャラ)とテンプレなストーリー(これも読者を不安にさせないストーリー展開)の小説がウケる、ウケ続けるんですからね。
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の場合、それが世界一有名なゲームのキャラクター、マリオとその仲間たちだったわけで――それが大ヒット最大の理由だったんでしょう。
テンプレ、テンプレって馬鹿にしてますが(ええ、わたしがいつもやってることです)、テンプレな物語こそが、最大多数の人たちの心に刺さる物語となり得るんだなと、よーく分かりました。勉強になりました。
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