第35話 小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた
「
あ、今回のエッセイの内容とは関係ありませんが、近年、新聞が薄くなってきたと思いません? わが家が新聞購読をやめて10年以上経つように、ニュースはネットで見るから新聞はいらないよって人が多くなり、経営体力が落ちてきたんじゃないでしょうか。
職場で全国紙4紙と地方紙1紙をとっているからわかるのですが、ひと昔前と比べると新聞の頁数が減りましたね。特に全国紙の地方版の記事が痩せているように感じます。大手新聞社は支局に人員を割けないんでしょうか? 地元に密着したニュースは、質量共に地方紙に圧倒されてます。
政治面、社会面、スポーツ・文化面などは全国紙の方がもちろん充実してますが――そうそう、朝日新聞文化面と関係が深い「好書好日」です。
このサイトのインタビュー記事「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」がおもしろいですよ。
記事は、自称・小説家になりたいライター、清繭子さんが「文芸作品の公募新人賞受賞者に歯噛みしながら突撃取材」して書かれています。この第一回のインタビュー記事がすごく興味深い。サイトの注目記事でもNo. 1です(R5.6.6現在)
最初のインタビューは、第128回文學界新人賞を受賞した市川沙央さんに取材しています。この市川さんがすごいんです。
20年以上、落ちても落ちても小説の公募新人賞に応募し続けて、ついに文學界新人賞を受賞したんですよ。「文學界」といったら、純文学の雑誌じゃないですか。純文学の人かな〜と思ったら、むしろ市川さんはずっとエンタメの公募に応募し続けていたらしい。コバルト・ノベル大賞は20年以上続けているとか。
ほかにも女性向けラノベやSFなど、多いときは一年に長編を3本も書いて応募したとか。すごい、筋金入りのワナビだ!
これには市川さんなりに切実な理由があって――筋疾患先天性ミオパチーという難病を患っていて、身体が不自由なんです。車椅子に乗り、人工呼吸器が手放せない生活で「わたしには小説しかない」と考えているらしい。能天気なわたしには想像もつかない過酷な境遇です。
それが昨年のノベル大賞に応募した自信作が落選。荒む気持ちをなんとかしよう、それには純文学しかない! と1ヶ月で書いたのが文學界新人賞受賞作らしいです。この小説も大学の卒論と、魔法のiらんど大賞と3本並行して書いたというから……天才? でも、天才が受賞まで20年もかかる? などといろいろ考えました。
このインタビュー記事はいい。
さすが注目記事No. 1。
同じようにできる人は、そうそういないと思いますが、それでも20年以上書き続けて新人賞受賞にこぎつけた作家さんがいる――と知ることができて勇気がもらえたような気がします。とにかくすごいんで、ぜひ。
「好書好日 小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた」
https://book.asahi.com/article/14917541
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