13話ようこそ特別クラス
今日は最初の特別クラスがある。といっても、放課後の時間に実践訓練するだけなんだけど……。
受験期に居残り授業させられてる感じかな?
まぁ大学受験してないからわからないけど。
俺は身支度をして、マリアードに「いってきます!」と言い家を出た。
ペヤードは最近居ない。なんでも王城で保管していた、神話級の魔具が無くなったらしい。
我がパパ君は、そのための警備やら色々しないといけないのだ。
もう学校に行くのも慣れてきたな。
まだ入学して1ヶ月も経っていないというのに…。
人間関係も順調である。
高校でいじめられたトラウマから、あまり自分から輪に入ろうとしなかったが……。
いざ話してみると悪くはなかった。
バレルを罵倒していた亜人の男の子もそこまで悪い奴ではない。すこしおチャラけた性格ではあるがユーモアがあって馴染やすいタイプだ。
多分こういうのを前世ではリア充というのだ。
休み時間誰かに蹴られるか、寝るかしていた俺が、みんなに囲まれ、笑いをとったりすることができるなんて思ってもいなかった。
そうこう考えていると学校へと着いた。
おっ、今日はフォイアスが珍しく早く来ているではないか!
「フォイアス、今日は珍しく早いじゃん。」
「遅くまで魔法の勉強してたから、今日は寝てない……。だから早く来て学校で寝ようと思って。」
眠たそうに目をこちらに向けながらフォイアスは応えた。
「魔法ってなんの?」
「えっと……。」
なんか言いにくそうな顔をしてこちらを見つめてくる。
「勿体ぶらないでよ〜。」
「その上級魔法のお勉強を少し……。」
「な〜んだ上級魔法……。上級魔法!?えっでもお前、」
「そんな反応になるから言いたくなかったんだ。」
「凄いな……。俺は中級魔法ですら苦労してるのにな……。」
「僕だって全部の中級魔法使えるわけじゃないよ!」
「もしかして今日の特別クラスで使う気じゃないだろうな?」
「ダメかな……?」
「やめとけやめとけ。死人がでるぞ。」
フォイアスくんはもう上級魔法を……。
上級魔法は大人でも使える人が少なく、小さい頃から使えるとなると、それはもう天才いや天災の所業である。
これはこの本の主人公がこいつに変わる日も近いか。おっと、俺は何を言っているんだ……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜放課後
いや〜今日は大変だった。
トイレの場所が分からなくて危うくバレルみたいに漏らすとこだった。無駄に広いからなこの学校。
〜〜〜〜〜〜〜
みんな帰ったあとの教室。
そこにいるのは3人。
俺とフォイアス。そしてあと一人は、ミカ。
そうミカ・サードルフ・モレナだ。
今期生の特別クラス最後の一人はミカだったのだ。
俺はこのふたりと比べると実力で劣っている気がするが大丈夫だろうか……。
「あ〜だるいよな。なんで序列2位の俺が迎えいかないと行けないわけ?」
「文句言わないさっさと歩く!」
廊下の方から男女の声が聞こえる。
足音が止まると同時に扉が開く。
「迎えに来たよ!1年生達。」
現れたのは、俺たちよりも一回り大きくモヒカンで青っぽい肌をしている男と地味っぽいメガネをした女。男の方は初めて見るが魔族だろう。
「あなたたちは特別クラスの人ですか?」
「そうだ。案内するから着いてきな、」
席を立ち上がり俺たち3人は先導する2人について行った。
向かうのはてっきり大広場だと思っていたが、違うようだ。普段は使われていない、学校の中で最もでかい教室。中に入るのは初めてだ。
「入っていいよ。」
そこには中央に大きなリングがあり、周りにはおまけ程度の装飾がされている。特別性は壁際にある大きなベンチに座っているようだ。
「来ましたか〜。」
「校長もいるんですね。」
「期待の新人が3人もいますので……。」
リニア校長はなにやら楽しげな表情を浮かべている。
リーゼントで魔族の生徒は少し面倒くさそうな顔をしてけんか腰である。
俺はその2人のあいだに割って入った。
「あの、ここはどんな場所なんですか?」
「この部屋は私が実費で作った特注の対戦部屋なのです。金貨100枚位はしましたかね……。いい買い物をしました。」
「あ、そう、ですか……。」
「何ちょっと引いてるんですか?」
「いえ、素晴らしいと思って……。」
「それより早く試合をしましょう!試合!」
そういうとリニア校長はくじと箱を出し、みんなに引かせていった。
自己紹介もなしかよ……。
全員くじが引き終わると、リニア校長はリングの中央に立ち、周囲を見渡した。
「今日からは新入生も参戦します。ですが新入生だからといって甘く見ないこと、そして甘くしないこと。何かあっても私が何とかします。ですので全員思いっきり試合してください!」
そう高らかに宣言しリングの外へとでる。
「第1試合はフォイアスとリスチップ。」
リスチップと呼ばれる生徒は、さっきのリーゼント魔族だ。
特別生を呼ぶ時はフルネームではなく、名前だけのようだな。なかなか特別感があって嬉しくなるではないか……。
名前を呼ばれたふたりは歩き出した。
そしてリングの中央で止まる。
なにか2人で話しているようだ。
あまり上手く聞き取れないが、
「俺は硬いぜぇー」とか
「特大のやつ食らわせてやる」
とかところどころ聞こえる。
一体ナニの話をしているのだろう……。
奥さん。気になって夜しか眠れません私。
「2人とも準備はいいわね?」
両者、こくりと頷き戦闘態勢へ入る。
ここからはおふざけ無しだ。
「それでは始め!」
開始の合図と共に、フォイアスは『堕雷』《メガスパーク》を放つ。
相手は避けず、直撃。
しかしあまり効果はない。
傷が少しつく程度だ。
リーゼント魔族は『炎球』《バーニングボール》を放つが、あっさりと避けられる。
そこから『時を翔ける者』で間合いを詰められ、
フォイアスは打撃を与え続ける。
だが、さっきと同じくかすり傷がつく程度のダメージしか与えられていない。
リーゼント魔族が「今なにかしたか?」と言いたげな表情でフォイアスを煽る。
フォイアスは打撃を与え続けるが、やはり効果は薄い。
リーゼント魔族がその巨体でフォイアスに掴みかかろうとした瞬間……、
フォイアスがニヤリと笑った。
「『鳴雷』《ナルカミ》!」
部屋全体に声が響く。
リーゼント魔族の周りに魔法陣がいくつもできる。
逃げようとするも魔法陣に囲われる。
部屋全体が揺らめく。
あまりの轟音に俺もミカも他の特別生も耳を塞ぐ。
煙が宙を舞い、過ぎ去った頃には既に勝負は決まっていた。
「そこまで!勝者フォイアス。」
リニア校長はリングへと近づき、
急いでリーゼント魔族の治療を始める。
さっきまではかすり傷だけだったのがいつの間にか、丸焦げ寸前になっている。
試合を終えたばかりなのに、満面の笑みでこちらに手を振るフォイアス……。
「いや〜本当に硬かったよ。」
フォイアスはベンチには座らず俺の目の前に止まった。こいつ、汗ひとつかいてねぇ……。
あんな大掛かりな魔法使っておいて涼しい顔しやがって。俺が使ったらすぐ魔力切れだろうな……。
「さっきの魔法が朝言った上級魔法だよ。」
「え、使ったの?」
「あの人硬いから大丈夫かなって……。」
「でもまぁ1発くらいなら……。」
「いや10発は撃ったかも……。」
俺は絶句した。
確かにあの時魔法陣は1個だけじゃなく何個かあったが、全部上級魔法とは……。恐ろしい奴だよ本当に。
「フォイアス君だっけ?君強いね〜!リスチップを
倒しちゃうなんて……。これで学番も入れ替わるよ〜。私の名前言ってなかったね、私はトレイルっていうの3人ともよろしく!」
なんか髪の短いボーイッシュな少女がベンチから身を乗り出してマシンガントークを連発してくる。
歳がそんなに離れているわけじゃないのに、すごく大人びている印象を受ける。
俺たち3人は「よろしくお願いします」と言うと、「うんうん。」と嬉しそうに頷く。
こういう女の子に俺の性癖メータが反応してしまうのだ。わかってくれる方はいるだろうか……。
「トレイル先輩。学番ってなんですか?」
フォイアスが興味深そうに聞いた。
「あれ知らないの?学番はこの学校での実力の順番って感じかな。リスチップは2番だったから今度は君が2番になるんだよ。」
「1番は誰なんですか?」
フォイアスは結構負けず嫌いだ。
魔法とかそういうことが関わったら特に……。
男の子というのもあるだろう。
強さにこだわりをもつタイプだ。
「1番は私。君たちが入ったから1〜15番まであるよ。」
ボーイッシュ女子、トレイルが自信満々にそう答える。
いやあんたが1番なんかい!
フォイアスはちょっと驚いた表情をしつつも、
「戦える時を楽しみにしています。」と口に出した。
話していると、リーゼント魔族ことリスチップがやってきた。
さっきまでの傷は嘘のようになくなり、見た感じ元気そうだ。
「フォイアス君強かったよ。まさか上級魔法を複数回使ってくるとは思いもしなかったよ……。」
「少しやりすぎましたか?」
「なかなか言うじゃないか、新入生。見ての通りピンピンしてる。」
この人がピンピンとか硬いとか言うと、違う意味に聞こえてしまうのは俺だけだろうか……?
てゆうかこの人はフォイアスの上級魔法を何発食らっても丸焦げで済んだのか本当に硬いんだな。
こればかりは相手が悪いとしか……。つくづく運のない男だな。
俺たちが話していると、犬系獣族のバカそうな男の子が絡んできた。
「新入生たち〜。」
「なんでしょうか?」
犬系獣族の男の子、長いからおバカ獣族にしよう。
おバカ獣族はとことこ歩いてくると俺の顔を覗き込んだ。
「特別生徒同士の試合は、指名してもいいことになっているんだ……。」
「それがどうしたのですか?」
「おまえを指名したいんだけどどう?」
おバカ獣族の耳がひょこっと動く。
顔が近い……。ちょっと肉臭い。
こいつはもしかして学番を落としたくないから、この中でいちばん弱そうな俺に挑んで来ているのだろうか……。まぁ断る理由もないしいいか。
こういうバカっぽい奴には対処法がある。
この対処法はシンプルかつ強力でバカであればあるほど効果が高い。みなさんも試して見るといい。
その対処法とは『煽り』である。
今回は本気で勝ちにいく。
馬鹿にしたような顔を冷たい目で見返す。
「あなたの学番の順位はどのくらいなんですか?」
「俺様は六番だ!まだ3年生だと言うのに……。俺様の才能に酔いしれるね!」
「『まだ』六番なんですね〜。あなたの実力もそこまでってところですかね……。」
俺は煽り全開で答える。
効果的面か、耳が直立しだし顔もみるみる赤くなっていく。
「ガルル!」と音を立てながらこちらを睨みつける。今にも手が出そうな状態だ。
「い、言わせておけば〜!」
バカ獣族はリシア校長の方へと向かっていく。
多分俺と試合したい云々を伝えているのだろう…。
心配そうな顔をしたフォイアスに肩を叩かれた。
「ペルセウス大丈夫なの?」
「ああいう、作戦だから大丈夫だって。」
「勝ってね!」
「保証はしないけど頑張るよ……。」
俺は愛用の杖を持ち、リングへと足を運んだ。
おバカ獣族はコチラを血走った目で睨んでいる。
作戦は上手くいきそうだ。
相手がどんな技を使ってくるかわからないため、慎重にいこう。
魔法使い同士の戦いの基本中の基本だ。
「ペルセウスとジャッカル、準備はいいですね?」
リングの外から校長の声が聞こえる。
おバカ獣族の名前はジャッカルというらしい。
彼もリングに上がっているようだ。
「それでは試合開始!」
校長が腕を勢いよく交差して振り下げると同時に、ジャッカルが突っ込んでくる。
魔術が魔法かわからないが凄まじいスピードだ。
だけど……。フォイアスやミカに比べたら遅い!
「『錬金』《アルケミー》!」
リングの床に触れる。
材質は普通の石だな。
なら変化させるのは簡単だ……。
床石の魔力を感じてそれを練り上げる感覚。
俺は壁を作った。横2m縦30cmくらいだろう。
ジャッカルは勢いを止めようとするが、急には止まることができない。その勢いのまま直撃。
後ろに下がり、ジャッカルの様子を伺う。
さすがにいまので撃破とは行かないだろう。
この世界の生物は身体能力が高い。
人間も例外に漏れなく、素の身体能力が高いのだ。
恐らく魔力が宿っているからだろう。
そんな奴らにバフなんてかけた日にはそれはもう人じゃない兵器だ。
「痛ってぇ!」
ジャッカルは立ち上がりすぐさま中級魔法『火炎』を連発。相当頭に来ているようだ……。
『水球』で相殺してもいいのだが、魔力は温存しておきたい。
もう一度『錬金』で壁を作りそれを盾にして、『火球』を防いだ。
煽りは怒っている時の方が効果は高い。
火に油を注ぐのだ。
「犬も歩けば棒に当たるとはまさにこの事ですね!」
「ぜってぇにぶん殴ってやる!」
犬歯を剥き出しにし、空いた口からヨダレが垂れてリングにぴちゃぴちゃと落ちる。きちゃない……。
俺は手に魔力を込める。
何を使うかって?
俺の十八番。
「『魔力弾』!」だ。
最大威力の魔力弾。
当たったら骨折では済まないかもしれない。
『魔力弾』が空を切り、ジャッカル目掛けて飛んでいく。
俺はもう一度魔力を込め地面に触れる。
ジャッカルは『魔力弾』を避け、犬のように四足歩行でこちらに向かってくる。
さっきの『魔力弾』はブラフだ。
本命はこっち。ギリギリまで距離を詰めさせる。
ジャッカルとの距離4m。
やるならここだ。
「『錬金』!」
『錬金』《アルケミー》は物質の形状を操作するだけの能力では無い。
中級になると物質の硬度や材質も操作できるのだ。
目の前にある床は一見すると普通の床だが触ってみるとあらびっくり。エロゲーのスライムも驚きの、1回触るとドロドロで引っ付いて離れない。
名付けスライムトラップだ。
ジャッカルは3メートル2メートルと近づいたところで、スライムトラップに掛かった。
「お、お前、卑怯だぞ!」
俺は魔力を手に込める。
使うのはもちろん
「『魔力弾』!」
一応威力は最小限にしておいた。
しかしジャッカルは泡を吹き、白目を剥いて気絶していた。
「勝者ペルセウス!」
もしかして、初勝利では無いだろうか……。
向こうの世界合わせてもネトゲ以外では戦いに勝ったのはほとんどゼロだった。
長かったな……。
6年間頑張ってきて良かった。
勝利とはこんなにも嬉しいものなんだな。
「ペルセウス!やったな!」
フォイアスは目を見張り、俺の肩を組んできた。
「これでペルセウスの学番は6位だ!」
「フォイの2位には敵わないよ。」
「そうだけど……。すごいよ!」
「ありがとう」と言うとフォイアスは嬉しそうに頷いた。なんて友人思いの良い奴なんだろう……。
ジャッカルはまだ治療を受けているようだ。
しばらく戻りそうにないな……。
俺たちはリングを後にし、ベンチへと戻った。
あれ?ミカとトレイル先輩がいない?
ジャッカルが治療されている付近からトレイルの声が聞こえてくる。
「ねぇねぇ!校長次は私達ね!」
トレイルがミカの手を引きリシア校長に迫る。
あの二人が戦うのか……。
ミカはめっちゃ嫌そうな顔してるけど。
「いいですけど。トレイル、あなただけは全力でやってはいけませんよ?」
「分かってるわかってるぅー!」
トレイルはミカの手を強引に引っ張り、リングへと連れていった。
「トレイル、ミカ準備はよろしいですね?」
「もちろん!」
トレイルは目を輝かせて、首をブンブン縦に振っている。
それに対して、ミカは沈黙している……。
HUNTER ○ HUNTERでもク○ピカが言ってたじゃないか。「沈黙それが答えだ」とね。
「それでは試合開始!」
トレイルは杖を取り出し、ミカへと向ける。
ミカは高速で動き回り、トレイルを錯乱させる。
「やっぱ速いねぇ!」
ミカが地面を蹴ったかと思うと、一瞬でトレイルの目の前に現れる。その勢いのまま拳を突き出す。
「『空壁』《エアウォール》。」
ミカの拳が弾かれる。
拳とトレイルの間には妙な空間ができている。
そこから奥へはどう足掻いてもいけないみたいだ。
「『空翔』《エアフォース》」
トレイルは宙を舞う。
ミカは空を見上げるが、何も出来ず、ただ棒立ちしている。
「『火炎砲』《ファイアキャノン》!」
トレイルの手に大きな魔法陣が現れ何重にも重なる。『火炎砲』は上級魔法なのだが、トレイル先輩が放ったのは、それが何重にも重なったものだ。
フォイアスの真似でもしたのだろう。
「あれ、やばいんじゃね?」とか思った時には遅かった。放たれた『火炎砲』はミカに直撃、する寸前で消滅した。
「あぁ〜、なんで消すのさ?!」
トレイルがリングに指を指す。そこには校長が、ミカを守るように立っていた。
「トレイル。あなたは人を殺す気ですか!全力を出すなと、言ったでしょう?!」
「全力じゃないよ!」
トレイルはじたばたと手足を降って見せた。
「屁理屈禁止!」
トレイルは顔を膨らませ、『空翔』を解除して降りてきた。
「勝敗は?!」
「あなたの勝ちでいいですよ……。」
リシア校長は呆れ混じりのため息を吐き、半分諦めたような表情でそう言った。
「うひょひょひょいー!やった〜!」
ぴょんぴょんとジャンプしたトレイルは、ミカの方へ振り返り「ありがとう!」と言って、ぴょんぴょんスキップしながらベンチに戻ってきた。
戻ってきたトレイル先輩にハイタッチを求められたので、ハイタッチすると、ミカが羨ましそうに見てきたので、ミカにもハイタッチ。
「トレイル先輩、凄いですね。ミカがあっさりと負けるなんて……。」
「仮にも学番第1位なんだぜぇい?あまり舐めないでもらおうか〜。」
「少し見直しました。」
「見直した?じゃあさっきまでは私のことなんだと思ってたのー?」
「…………。」
「新入生に免じて許しといてやる……。」
「そうしてくれると助かります…。」
「お、お疲れ様。フリーゲン君……。」
ミカに話しかけられた。
なんかこうモジモジしていて唆るものがある。
エルフってみんなこんなに美形なんだろうか……。エルフの里があるなら是非お入りしたいものだ。
「お疲れミカ。フリーゲンじゃなくてペルセウスでいいよ!」
ミカは一瞬俺の方を向くが目が合った途端、また下を向いてしまった。
「ぺ、ペルセウス……くん。」
「なに?」
「呼んで、みた、だけ…。」
「そう、」
エルフ特有の尖った耳先を赤く染め上げ、髪の毛の毛先をクルクルと回している。
ニヤニヤが止まらんわい。
やっぱりこの子、俺に惚れているのだろうか。
俺もペヤードとマリアードの遺伝子を半分ずつ貰っているわけだから、当然美形のはずだ。そうであってくれ。
それでもフォイアスには敵わないけど……。
まぁあいつはなろう系主人公みたいなものだからなそこは気にしない。
しかし俺のどこに惚れる要素があるのだろうか…。
あまり話したこともないし、これといって関わったことも無い……。
そういう要素があったとすれば初めての実践訓練だろうか。
でも。あれもフォイアスが全部持って行ってしまったからな〜。
まぁ良い。
恋愛なんて後からでもできるんだ。
今は強くなることを考えよう。
そのためにも特別クラスの試合を観戦しようじゃないか!
俺はミカと一緒にベンチに座り、残りの試合を観戦した。
続いて第4、第5と続いていったけど尺の都合上カットするね。By作者(俺が世界)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜キャラプロフィールなるもの
ペルセウス・フリーゲン
今作の1人目の主人公。
魔術『人に作られし物』《ホムンクルス》を神から貰うがあまり自分の体に合っていない模様……。
得意魔法。
『錬金』『魔力弾』『火系魔法』などなど……。
父ペヤード・フリーゲン。最年少国軍騎兵。
母マリアード・フリーゲン。元冒険者らしいです。
前世の男。
ニート、高校中退。
自分ではクズと言っているが、人生うまくいかなくてひねくれているだけです。
本当は優しいと思います。
DQN2人組に殺され、転生。
ペルセウス・フリーゲンの体に魂が入り込み、生存している。
今は乗っとっているような状態。
いつかペルセウス・フリーゲン本体の魂と入れ替わりますか?という疑問について答えやす。
A.入れ替わりません。ペルセウス・フリーゲン本体が入れ替わることを拒絶しているからです。
この辺は後4、50話後くらいで解説します(多分)。
〜後書きなるもの
たまにネタバレっぽいことを作者、ワタクシこと俺が世界がしちゃうんですけど……。
伏線を早く物語に出さないとモチベーション保っていけないので許してけろ。
↓↓↓こっちからネタバレ、伏線の説明です。
初めての授業で、ペルセウスが人を殺しかけた時ありましたよね?覚えてない人は知りやせん。
その時フォイアスもブチ切れしてたんですけど、
普段温厚なフォイアス君があんなになる訳ないですよね?
そこで思い出して欲しいのが、ペルセウス。
ペルセウスは前世の男とペルセウス・フリーゲンの魂が混ざっているため、感情の起伏が激しいんですけども……。
ここまで言ったらわかるでしょうか?
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