12話 色々あって……歴史の授業です。
魔術定着してから6日が経った。
明日は特別クラスの実践訓練がある。
両親の厚意で今日まで休んでいたので、久しぶりの学校である。
この世界には曜日という概念はないが日付なるものはある。5、15、25、の5が付く日以外は学校に行かなければならない。
まぁいいとりあえず学校に行くか……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
久しぶりきみた教室は少し雰囲気が変わっていた。
前はみんなどこかよそよそしい感じがあって
元からの知り合いとしか話していなかったが、今では「俺らズッ友だぜ!」みたいな前世の俺が嫌いなタイプの奴らがクラスを仕切り、全員が一致団結しているようである。
「あっ君は確か!ペルセウス君だよね?」
意気揚々としているこの少年は確か、実践訓練で兄妹と試合していた。確か名前は〜
「リオン・シャンドリアだよ。忘れたの?」
「ごめん。あんまり人の名前覚えるの得意じゃないんだ。」
「いいよ!ちょうど今、君の話をしていたところだよ。話、聞かせてよ!」
なんていい少年なんだ……。
もしかしてこれはクラスの輪に入れるのでは?!
「もちろんだよ!」
色々聞かれた。
どこで魔法を習ったのか、魔術は使えるのか、
フォイアスとはどういう関係なのか、フォイアスの好きな人のタイプとかフォイアスが好きな人とか……。
前半はともかく後半はフォイアス尽くしだ。
なんでも俺との試合を見た女子達がフォイアスに一目惚れしたそうだ。
うぅ悔しい……。
魔術のことは黙って置くことにする。異教徒と間違えられるのは困る。フォイアスくらいには言ってもいいとは思うが……。
そろそろ授業が始まるので席に着く。
隣にはバレル。そして遅刻寸前にきたフォイアス。
また、寝癖を直すのを忘れているな。クワガタみたいだ。
教室の扉が開く。
どうやら今日はリシア校長ではないみたいだ。
多分俺たちの担任の先生みたいな感じだろう。40、50歳くらいのおじさん先生だ。
「バレル・ケモナー君号令を、お願いします。」
「起立。礼。」
「はい。では今日は前回に引き続き、歴史の授業をします。皆さんは教科書を出して……。」
まずい教科書を忘れてしまった。
あたふたしていると後ろから教科書を渡された。
ミカ・サードルフ・モレナさんだ。
そう、あのバレル君をぶっ飛ばした子だ。
横にいるバレル君はプルプルと震えてこちら見つめてくる。
俺は見ないふりをして、教科書を受け取った。
「モレナ、さんは教科書いらないの?」
「無くてもわかるからいらないかな。あと……ミカでいいよ。」
「ありがとうミカ!」
名前で呼ばれて少し照れている。これはまさか?
いや新手の詐欺かもしれない。ここは油断せず慎重にいこう。
「この前の復習です。3000年前に起こったと言われる戦争の名前を答えてください。」
「聖魔大戦〜」
俺以外のほとんどが答える。
ちくしょう。歴史の勉強もしておくべきだった…。
「素晴らしい。皆ちゃんとできてますね。もう一度復習しておきましょう。聖魔大戦とは……」
長いので俺が説明しよう。
3000年前に
悪魔、魔族、魔神と
天使、人族や獣族、聖神の二勢力の間で起きた戦争のことらしい。
この戦争で、悪魔と天使はほとんど滅び、魔神サイドにいた全ての種族を総括して魔族と呼ぶようになったそうだ。
「初めは聖神側が優勢でしたが、魔神王が現れ戦況が変わります。名はソロモン。恐らく世の中で最強の生物でしょう……。一説によれば何全体もの不死の軍隊を従えていたようですよ……。」
「そんなの相手にどうやって聖神側は勝ったのですか?」
俺は挙手して質問する。
「聖神様達にも王がいたのです。
名はダビデ。魔神王ソロモンより力は劣りますが仲間や魔具を上手く利用し、最後2人は相打ちになって消滅したと言い伝えられています。」
「今も生きている神様はいますか?」
今度はフォイアスが質問する。勤勉なやつだ。
「東の国、エーリュシオンは魔神とその配下の悪魔が統治しています。恐らく聖魔大戦の頃からの生き残りでしょう……。ローリア王国も下手に手出しできない状態にあるのです。」
魔神王に聖神王か……。
前世のRPG系でもよくそんな単語聞いたな〜。
某スライム系RPGの魔王はHPを1発回復する魔法があって苦戦したっけ……。
それからも話は続いた。
今度はこの国の創設に関わる話だ。
なんでもこの国は元々魔族達が住んでいた所を、初代ローリア国王である、アーサー・ナレポオン・ローリアとその仲間が崩壊させ、そこに新たな城を建造して現在のローリア王国ができたみたいだ。
普通の国の国王は弱々しい者ばかりであるらしが、この国は国王が最強と謳われている。
いわゆる軍王である。
1つ国王の逸話を紹介しよう。
この国の南部にはローリア山脈と呼ばれる巨大な山がそびえ立っているのだが、現国王は南の国との交易の邪魔だと言うことで山を1つ2つほど消し飛ばしてしまったそうだ。1人で。
ありえないほどに強い。
そりァこの国がエルシア大陸で1、2番目を争う強さなわけだ。
ローリア王国は国民の魔法習得率?がこの大陸で1番らしい。王あっての民的な?
「今日の授業はここまでにします。」
「起立。礼。」
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授業終わりにフォイアスに話しかけられた。
「ねぇ、ペルセウス。何かあったの?」
上手く隠していたつもりだったんだけどな……。
まだ家族にも魔術が定着したことは言っていない。
言ったらきっと心配すると、わかっているからだ。
だが、フォイアスには言ってもいいんじゃないだろうか?
友達とはこういう時のために居るのではないだろうか?
「フォイには全部お見通しだね……。君だけには言っておくよ。」
俺は魔術云々のことを伝えた。
「ペルセウスはすごいよ。僕がこの世でいちばん尊敬していると言ってもいい、君はどうしてそこまで頑張れるの?」
「前はさ、勉強とか魔法で1番になろうと努力してきた。でもその考えは変えた。俺は誰かの1番になりたい……。大事な人を守れるように力をつけるように頑張るんだ。」
「僕のことも守ってくれるのかい?」
「お前は俺よりも強いだろ……。」
「ふっ、そうだったね。」
「コイツ〜!」
フォイアスの頭をワシャワシャする。ついでに寝癖も直そうかと思ったが、寝癖がほかの髪の毛と混ざってしまい、逆に変な形になってしまった。
やっぱりデキル男は違うね。さすがペルセウス君。
決して腹いせとかでは無い。
それにしても寝癖が「混ざる」か……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1つ気になることがある。
神と話した時、奴は「混ざっている。」と言っていたことを覚えているだろうか?
もしかして俺は、前世の俺の魂とペルセウスの魂が文字通り「混ざっている。」のでは無いだろうか?
だとしたらこの世界に来てからの、精神の安定化。学校で起きたあの事件の時、怒りで我を忘れてしまったのも全て辻褄が合う。
だから俺は前世の俺でもあり、ペルセウス・フリーゲンでもあるのだ。
つまりフュージョンしているのだ。
弱い×弱いで、さらに弱くならないことを願うまでだね。
〜後書きなるもの
今日は特にありません。愚痴です。本当はミカとかペルセウスの魔術とかもうちょい後で出す予定だったのに……。
しかし、もう止まることはできない。
俺が進む限りお前らが進み続ける。
止まるんじゃねぇぞ…。
俺のフォロー数とPV数止まるんじゃねぇぞ…。
次の話は明日出します。
嘘ついた。資格のテストがありました。多分落ちました。なので最新話出てないです。今日出します。
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