6/22更新

 恵吾は壁のモニターに時系列や関係図をまとめ、あ 辺りの椅子に腰を下ろした。

「で、あと何隠してるん?」

 回転椅子をターンさせ、恵吾は拓の方へ居直る。琥珀の双眸は真っ直ぐ山田の眼を捉えている。

「バレましたか」

 拓はポケットからお菓子の包み紙を出した。

「一人一個だったんですよね? このお菓子……千葉さんの分も食べてしまいました」

 「パンッ」と弾けたような音がしたかと思うと、山田の腹部から血が流れ出し床に倒れる。恵吾の右手には銃が握られており、銃口からは硝煙が立ち上っている。

「ちょっと千葉さん!」

 真理愛が恵吾を咎めるために近づこうとしたところ、恵吾が口を開いた。

「甘いもんの罪は重い……のはどうでもええねん。ふざけてんと、はよ話進めろや」

 拓が倒れた場所ではなく、さっきまで真理愛が立っていた場所に拓が平然と立っていた。

「いやあ、流石千葉さん。慣れてきちゃいましたか」

「あと何回か見たら当てられるかもな」

「冗談ですよね? では、僕の知っていることを話しましょうか」

 拓は両手をひらひらさせた後、ポケットから電子タバコを取り出し、カートリッジを差した後スイッチを入れた。

「そうですね、何から話しましょうか……」

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