6/12 更新
「声の苦情についてはこの病院が閉鎖されることになった辺りから始まったようだった」
「ゾンビの原因は棘だらけのバケモンが原因やな」
「おそらく実験場を兼ねたこの施設の管理がされなくなってああなったのでしょう」
「なんらかの事情があって急遽閉鎖された感じやな」
「主任さんが勝手に実験してたのが創愛グループにバレちゃったとか?」
魔魅子は腕組みしながら目を閉じて言う。
「その線もあり得るな。山田くんはこの病院に潜り込んだことあるんやろ?」
「どうしてわかるんですか?」
拓は驚いたとばかりに両手を挙げる。
「主任の周りを探ってましてね。霊安室の遺体が被験体だということと、神園さんがなんらかの実験に関わっているということまでは突き止めました」
「わたしが?」
「心当たりはないんですか?」
「特には……」
「はあ、そう言うことは先に言っとけや」
「タイミングを逃しただけですよ」
「それがM.Kについてってやつやな? 魔魅子神崎の頭文字か。詳細は今はわからんやろうな。そんで、警察に相談するも相手にされずにユートピアに帰った」
「警察にきてくれたタイミングで、僕は丁度柊木会のナノマシンドラッグ関係の取調べをしていた」
「直系か?」
「下部組織の下っ端だね。捕まえたところで尻尾切りの尻尾ですって感じの男だったよ」
「ふうん。その後でシールドセキュリティによるユートピアの襲撃か。十中八九柊木会が裏で糸引いてたやろな」
「手際が良過ぎたね。僕や千葉くん達がいるタイミングである上に、マスターを抑えてこちらが手出しをしにくい状況を作っていた」
「シールドセキュリティを使って俺を拉致か。マスターの意識はどうなん?」
「……まだ戻っていません」
「そっか……俺が捕まってる間に急ピッチでここを抑えて諸々やってくれたんやな」
「そうだね。その後千葉くんを救出しようとしたところで、山田くんのご登場」
「いやあ、たまげましたね」
拓はおどけて言うが、恵吾は無視して続ける。
「その後、目覚めたら魔魅子ちゃんと山田くんが一緒におったんや。そんでからユートピアに寄ってここに来た。今わかってんのはこんなもんか」
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