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「で、神様はどこ言ったんや?」
「有奇くんは仕事があるとのことで帰ったよ」
「ほんなら、ツナは?」
「俺もいるぞ」
綱吉はタバコを吸いながら奥から歩いてきた。
「ここの図面を洗ってたんだが、不自然な増建築と怪しい設備の搬入が隠されながらも繰り返されてる。かなりきな臭い施設だ。専門的なことはわからねえが、上の遺体を運んできて何かをしてたことは確かだな」
「そんで、人体実験の施設ってわけか。……一旦整理しよか」
恵吾はいつの間にか取り出していた電子タバコにカートリッジを取り付け、煙をふかす。辺りにアールグレイのフレーバーの香りが漂う。
「時系列順でいくと、マジカライトの話からか? 魔魅子ちゃんと山田くんは、純度の高いマジカライトを持ってた柊木会と一千万円用意してた創愛グループのある研究主任の取り引きを邪魔したんやな?」
「うん。一千万円はわたしが奪ったの」
「マジカライトは主任に持って行かれてしまいましたね」
「柊木会は柊木盾也が会長で、その息子の木村宗盾が直系組長の反社会組織やな? シールドセキュリティとかいう警備会社だかPMCが表向きの会社の。創愛グループの研究主任てのはどんなやつなん?」
「創愛グループは基本的には医療関係が強いの。いくつも研究機関を抱えているんだけど、子会社の医療品とか薬剤開発の部門の人だよ。この病院の幹部でもあったみたい。でも、裏で人体実験してるなんて知らなかった」
魔魅子は唇を噛む。恵吾は壁の大型モニターに映るように情報を入力しながら発言する。
「まあ、裏でこそこそやってるやつなんかこの街にいっぱいおるわな。で、そのお金の扱いに困った魔魅子ちゃんは俺をデートの名目で警備員として雇った。報酬は一千万円」
「ごめんね」
「まあ、なんとかするから謝らんでも大丈夫。そこでふざけた覆面の男が適当に雇ったやつらを引き連れて登場。俺の両足を撃って行動不能に」
「そのはずです」
山田が自信なさげに答える。
「もう記憶ないんか? やっぱ手加減せんときっちり処理しといたら良かったわ」
「いやあ、たまに物忘れが激しくて」
山田は悪びれずに言った。
「ちっ。まあええわ。で、山田くんはマスターに雇われたんやったな?」
恵吾は舌打ちしながらも状況の整理を続ける。
「ええ、恵吾をこれ以上巻き込むわけにはいかんとかなんとかで」
「この程度のことはままあるのになんでやろな? で、ツナと真理愛ちゃんに助けてもらって一旦この施設に来ることになったんや」
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