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「僕が歩く屍を弔ったんだ」

 真理愛に口を挟む形で、恵吾の座っていた椅子の後ろから長身の男が現れる。舞台から飛び出してきたような風貌に目元の赤いアイメイクが一際人の目を引く男。東雲祥貴だ。

「祥貴くん。ゾンビを創り出す存在はいなかった?」

「霊安室と同じフロアにいたね」


 ――少し時は遡る。恵吾が連れ去られ、真理愛の提案の後、綱吉、真理愛、祥貴は急いでPMCの登録、病院跡地の買収、マスターと医療機器の搬送を手配した。世間の情勢もあり、PMCの登録は容易に行えるようになっており、祥貴が警察官であるため、捜査協力機関としての登録もスムーズに行えた。そして、病院跡地については、偶然競売に出されており、他の競合相手もいなかった為、真理愛が買収に成功。綱吉の協力もあり、マスターと医療機器の搬送も問題なく行えた。順調に事は進む。しかし、問題は病院内の惨状である。だだっ広いロビーの待合フロアにマスターと医療機器を運んだはいいが、至る所にある廃材や使われなくなった機器。地下にはゾンビが蠢いている。拠点とするには施設の整備が必要だった。

「お困りのようだな。東雲祥貴」

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