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「前に来た時は気づきませんでしたねえ」

「来たことないんちゃうかったんかい」

「受診しに来たんですよ」

「霊安室で何を治してもらうねん」

 魔魅子は深刻な面持ちで二人についていく。壁一面に広がる巨大で頑丈そうな重い金属性の扉が開き、エレベーターは更に地下へと三人と一体を飲み込んでいく。

「結構深いな」

 高速運転中と書かれた表示と次々に変わる階層を表す表示を三人は眺めていた。暫くして重力を身体全体で受け止めるような感覚が三人に纏わりつき、エレベーターは動きを止め、ゆっくりと扉が開く。

「トウチャクイタシマシタ」

 マロンに案内され、エレベーターを降りると、広大なオフィスの様な空間が広がっている。空調が効き、壁の窓に当たるモニターには、幻想的な自然の景色が広がっている。壁一面がモニターになっているのだろう。見たこともない植物や光景が広がっていて、閉塞感を感じさせることはなかった。

「お待ちしていましたよー!」

 正面の人影が手を振りながら駆け寄ってくる。金髪にピンクのグラデーションを帯びた髪を靡かせる彼女はアヴェ・真理愛だった。

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