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「なんか綺麗になってへん?」

「初めて入るので分かりませんが」

「ほんとにいるの? ゾンビ……」

 以前は封鎖されていたはずの駐車場に車を乗り入れ、メインエントランスの自動ドアを進む。

「おっ、エレベーター使えるようになってるやん」

「ゾンビは地下にいたんだよね?」

「そうやな、下にいこか」

 恵吾は操作パネルの下向きの枠をタッチし、エレベーターは静かに扉を開いた。

「まだいるかな? ゾンビ!」

「結構危ないで?」

「二人がなんとかしてくれるよね?」

 恵吾と拓は顔を見合わせる。

「山田くんの能力が俺にも使えたらなあ」

「能力が使えたらどうするんですか?」

「囮にするよ、山田くんを」

「あー、そうきましたか」

「ゾンビも視界ジャックされちゃうのかな?」

「試したことがないのでなんとも言えませんね」

「魔魅子ちゃんは好奇心旺盛やな」

「気になるじゃん」

「じゃあ、千葉さんを囮にして……」

「試してみるか……?」

 恵吾は拓に拳銃を突きつけて笑っていた。

「冗談じゃないですか。あれ? 安全装置外れてますよ?」

「自分もデバイス起動してたやん」

 拓の瞳は緑色に光っている。

「二人ともストップ! 先にいらないこと言い出したのは恵吾くんでしょ!」

 魔魅子が頬を膨らませると、「チンッ」とエレベーターが到着を知らせ、扉が開いた。

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