4/19更新
「千葉さん。僕ですよ」
覆面を取った男は、恵吾の見知った顔だった。確か最後に会ったのは、ユートピアでTRPGをした時だっただろうか。いつものオリーブのコートではなく、ミリタリージャケットに身を包み、肩には死神とリボルバーのロゴの入ったワッペンを付けている。中肉中背で、センター分けの黒髪は清潔感を与えている。ユートピアの常連客の一人で山田拓(やまだたく)だ。
「山田くん……?」
「いやあ、お久しぶりですね」
恵吾はきょとんとした顔で拓の顔を見つめていた。
「応急処置はしたのですけど、ちゃんとアヴェさんに診てもらった方が良いですよ」
「おおきに……」
「ああ、説明しないといけませんよね。千葉さんは丸一日ぐらい寝てましたかね」
「いや、そこはまあ、ええんやけど」
「私の依頼とか、私を攫った理由とかそこからだよね? 恵吾くん」
魔魅子がフォローを入れる。
「そうやな、一から教えて欲しいんやけど……自分は敵なんか?」
「おっと、これはこれは。そうですよねどこから話しましょうか」
拓は暫く考えた後、口を開いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます